為替デリバティブ・通貨オプション・クーポンスワップと呼ばれる金融商品トラブルの被害救済について
新聞などでは「為替デリバティブ」と総称されることが多い、「通貨オプション」あるいは「クーポンスワップ(実態は通貨オプション)」という金融商品で、多くの中小企業がトラブルに苦しんでいる。
古くからあった商品だが、一般向けにわかりやすく取引の構造を解説した本は、1999年の拙著『金融工学の悪魔』(日本評論社)以外にはほとんどなく、したがって、本当の問題点を理解している人も少ない。
リーマンショック後に被害が大量に表面化し、裁判も全国で起きている。
その裁判がどのように進行しているかについては、以前、このブログでも少し言及した。いまのところ、被害企業が裁判で勝つのは極めて困難で、実際に、対銀行の訴訟で被害企業はまったく勝てていないようだ(このあたりの事情にくわしい弁護士や、このテーマで取材して過去に記事を書いた記者などの情報に基づく)。
対証券会社では、じつは、被害企業の勝訴判決がある(これについても以前、当ブログで少し言及した)。
さて、つい先日得た情報に基づき、どうやら「対銀行の為替デリバティブ(通貨オプション・クーポンスワップ)の裁判でも、たぶん、この点で攻めれば、被害に遭った中小企業側が勝てる可能性が相当に高くなる」という方法がわかったように思う。じつは、1年以上前に思いついていて、ポイントとなる数値の計算シートもきちんと完成していた(商品のタイプによっては、微修正が必要だが)。
ただ、その計算を勝訴判決に結びつけることが本当にできるかについて、私には判断ができなかった。最近までの追加情報に基づいて、これまでの重要な「被害企業側の勝訴判決(為替・通貨以外の店頭デリバティブの勝訴判決もふくむ)」と組み合わせれば、この論点で攻めて、勝訴判決がとれる可能性がかなり高まった、と思えるようになったのである。
残念ながら、為替デリバティブ(通貨オプション・クーポンスワップ)の裁判で被害企業を勝たせたければ、このポイントではこの主張をしないとダメだという肝心な部分について、実際に裁判やADRに関わっている弁護士やコンサルタントのほとんどは誤解している。
一部の被害企業に対しては、ADRの場で譲歩している金融機関側の対応にも、じつは、致命的な問題点があり、そこまで救済しなくていい企業を救済し、もっと救済してもいいはずの企業を見殺しにする形になりつつある。典型的な「逆選択(この意味がわからない人は「出社が楽しい経済学」で勉強してください)が起きている。そのため、迷走がひどくなっている感じがする。
ただ、商品性に関する一番重要なポイントを、裁判の主な論点のひとつにできる可能性が高まったようである。いまの「為替デリバティブ(通貨オプション・クーポンスワップ)トラブル」の解決は本当にむずかしいと思ってきたが、ようやく一筋の光明が差し込みつつある。
