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2008年11月

2008年11月26日 (水)

NHK総合テレビで12月6日朝に放送予定の「家計診断」

私がほぼ2年前に、この「家計診断」という番組に出たことが、これまで10ヵ月近く制作を手伝ってきた『出社が楽しい経済学』(NHK教育テレビで110日から3ヵ月間放送予定)が誕生するきっかけになった、という話を以前書きました。

それでまた、来週126日の「家計診断」にも出演する予定で、昨日NHKで打ち合わせ(たぶん3回目)をしてきました。最近、2週間に1度ぐらいは東京に行っていて、その都度NHKに立ち寄るので、すっかり慣れてきましたが、東京のJRや地下鉄の混雑にはまったく慣れません。

JR山手線の品川駅で、乗り込む人がいっぱいでまだ電車が出ていないのに、「1番線ホームにまもなく電車が参ります」といったアナウンスが流れるのには、本当に驚きました(東京の人には当たり前なのかもしれませんが)。

昨日東京に行った一番の理由は、午前中に朝日新聞本社で広告企画のインタビューを受けることでしたが、この件は、その広告が掲載される予定の28日以降に書きます。ちょっとしか記事が載らないのに、早口で大量にしゃべってきましたので、記事にならなかった話をブログに書きます。

で、NHKの「家計診断」の話に戻りましょう。

テーマは「金融商品とその広告」といった感じです。まだ構成を打ち合わせ中です(この話もNHKの許可は得ずに書いています)。番組ホームページで、資産運用をしようとしている人のご意見を募集しているようですから、ぜひご応募を。まだ今日・明日なら、あなたのご意見が番組に反映される可能性もありそうです。

http://www.nhk.or.jp/kakei/

私が取り上げてほしい金融商品については、昨日の打ち合わせで猛烈に売り込んできました。ある意味、金融機関の窓口での売り込みより強引だったかもしれません。

担当のSディレクターには、内容の相談相手が、あれこれ注文が多い私で申し訳ないとしか言えませんが、前任のNディレクター(現在の「出社が楽しい経済学」担当)から「吉本さんはとにかく大量にしゃべるから気をつけるように」と、使用上の注意事項を伝えられているはずなので、お許しください。

最終的には、NHKは好きなように番組をつくるだろうし、何でもいいから、金融商品のことを何かしら取り上げてくれるだけで十分なので、私は、あくまで参考意見をしゃべっているつもりなのですが、早口でポンポンしゃべるので、相手をするのは大変みたいです。

ただし、番組では自由にしゃべれないので、普段とはまったくちがった話し方になってしまい、かなり恥ずかしいです。

とはいえ、金融商品に関する番組はできるだけ多くの人に観ていただきたいので、勝手に告知させていただいております。

この番組についても、くわしい話は放送後にまた書きますので、しばらくお待ちください。

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2008年11月24日 (月)

中学校入学直後の校長先生のお話

書かないといけなかった原稿は、何とか書けました。ただ、無理がたたって体調は最悪。23日の朝にかなりまとめて寝たのですが、それだけでは足りない感じです。どこかで丸2日ぐらい、完全に休みたいけど……

とはいえ、今日・明日と、金融商品を巡るトラブルに関連した仕事で、打ち合わせがあったり、予定されたりしています。ひとつはすでに起きたトラブルの件で、先ほど終わりました。もうひとつは、金融商品のトラブルを防ぐ目的で放送されるテレビ番組の件。まだ先方から連絡はないけど、たぶん、明日打ち合わせがあるはず。

金融商品の話はまた書くとして、自分がなぜ、こんなにバラバラな分野で仕事を抱え込んでいるのかを考えてみました。午前の打ち合わせの中で、わたしの略歴に「どんな分野やテーマを専門として研究しているか」を書くように依頼されたからです。

私は、大学教員としては「国際金融論」の担当者として、最初に広島市立大学、つぎに南山大学の2つの大学で採用されました。自分が大学生のときのゼミの指導教員が、円相場などを主な研究テーマとする(国際金融に近い)国際経済学の先生でしたし、私も大学院では主に国際金融論の論文を書いていました。

でも、私の最近の専門的な研究テーマは、「金融商品の仕組みと広告」の研究だったり、「デリバティブや、デリバティブを組み込んだ金融商品の販売実態」の研究だったりします。

自分では、大学教員をめざしたときも、大学院を出て教員になったときも、大学を移ったときにも、まさかこんなテーマの研究を主におこなうようになるとは、想像もしませんでした。

オプションやスワップなどのデリバティブの研究は、円相場の研究の中で、たまたま、「特殊なオプション取引が円相場の変動を増幅させている」という説明が新聞や公的機関の報告に出ていて、それを批判的に分析したことから始まり、そうこうしているうちに、なぜかオプションの話を中心に、『金融工学の悪魔』という本を書いてしまった。門外漢が書いた本ということで、専門家からいろいろとバッシングを浴びましたね。

それで、オプションを組み込んだ金融商品の話にも興味を持って調べているうちに、今度は、金融商品全般の「広告」を収集して調べるようになった。

そのあと、金融商品を買う消費者がどうリスク管理をすべきかを考えるようになり、さらに、消費者の経済取引全般を考えているうちに、ふつうの買い物について消費者目線で経済学を語る内容の『スタバではグランデを買え!』を書いた。

その結果、当初の予定なら「国際金融の理論分析」をスマートにやっているはずの私が、身近な商品やサービスや金融商品の「広告」や「販売事例」をせっせと大量に集めて、極めて泥臭くて実践的な研究をしている。研究テーマだけで言えば、経済学者という感じではない(経済学者の感覚では、社会学に近いことをやっているという印象ですが、本物の社会学者が認めてくれるかは知りません)。

いかにも場当たり的に研究テーマが移ってきました。「風が吹けば桶屋が儲かる」式と言ってもいいほどの、テーマの移り方です。

それで、こういう研究スタイルも悪くないと思うのですが、最近になって、中学校の入学式か最初の始業式かに、校長先生が教えてくれたお話が、まさにこんな話だったと思い出しました。

相変わらず、校長先生の名前も顔もまったく覚えていません。たぶん、最初に聞いたお話を覚えているのですが、それ以降のお話は、何ひとつ覚えていません。

「小学校と中学校の勉強のちがい」といった趣旨の話でした。おもしろいけど、「そんな勉強、中学1年生には無理でしょ。むずかしいことを要求しているなぁ」という印象が強く残っています。

完全には再現できませんので、根本のところだけ同じで、あとは私の創作で「超訳」ならぬ「超再現」をします。

中学生として、小学生のときとはちがう姿勢で勉強をしてほしい。

では、中学生の勉強とは、どういうものか? 私が最近どういった勉強をしてきたかを教えます。

たとえば、高知県に旅行に行って、坂本龍馬に縁のある史跡を訪れ、坂本龍馬のことを調べ始める。それで海援隊の話を読んでいるうちに、株式会社の成立の歴史に興味を持ち、今度は、東インド会社のことを調べる。すると、オランダのチューリップ・バブルの話に興味が沸き、そのつぎは、チューリップの花の色がどう決まるかに興味を持って、植物の遺伝についての本を読んでいるうちに、アフリカの奥地にしかない花に興味を持ち、つぎにアフリカの気候に興味を持ち、つぎに地球温暖化の問題に……

といった感じで、つぎつぎに、自主的に勉強しながら自分の興味・関心を広げていく。

中学生になったのだから、そういった勉強をするようにしてほしい。

ね、中学1年生になったばかりの子供には、すごくむずかしい要求をしていますよね。ということで、私はそんな勉強をする気にはなれませんでした(そう感じたことはよく覚えています)。

でも、大学教員という、本来すごく専門的なテーマの研究に特化すべき立場になったあと、なぜか、中学校の校長先生から教えられたような研究スタイルになったわけです。

いま考えると、すごくいい講話だったとわかります。

うちの子供は、まだやっと来年4月で小学生。でも、覚えていれば、子供が中学校に入学するころには、この話をして、どういった反応をするかをみてみたいと思っています。

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2008年11月19日 (水)

駒澤大学の資産運用損の報道をみて

この数年、年に数回(多いときは10回以上)、新聞・雑誌・テレビから金融商品(資産運用商品)に関する取材を受けます。それで、昨年春以降の1年半は、取材を受けるたびにほぼ毎回、取材対象となったものとは別に、つぎの2つもぜひ取り上げてほしいとお願いしてきました。

1.大学や地方自治体の外郭団体や地方の金融機関や病院や宗教団体などの間で蔓延している「危険なデリバティブ絡みの資産運用商品」

2.地方自治体(都道府県や政令指定都市など)に蔓延しつつある「危険なデリバティブ絡みの資金調達商品」

現実にはなかなか取り上げてもらえないで、日本の大手メディアにはこういった商品の問題をきちんと報じることができない、何らかの事情があると思っていました。

しかしついに、今日(20081119日)の朝日新聞の1面に、

「駒大、資産運用154億円損失」

と報じられました。

http://www.asahi.com/business/update/1119/TKY200811180350.html

しかし、この報道には書かれていない部分にも、大きな問題点があります。

第1に、大学による巨額の資産運用損ということなら、拙著『クルマは家電量販店で買え!』の「おわりに」でも少し紹介したように、慶應義塾大学が20083月末時点でもっと大きな損失を出しています。慶大は含み損が226億円ですから、単純な比較は少しおかしいのですが、単純に金額だけみると、駒大の154億円より大きい。

しかも、慶大の場合は、専門誌に「日経平均株価が1万5000円まで戻れば回復する」という関係者のコメントが紹介されたこともあって、株価がさらに暴落した現状と合わせて推察すると、2008年度は損失がもっと大幅な金額にまで拡大していると予想されます。

そして、慶大の損失金額(財務状況)は、他ならぬ慶大のホームページで公表されている資料に掲載されています。

それなのに、なぜか、専門家の間ではそれが話題になった今年の夏にも、慶大の巨額損失を記事にする新聞がなかった(9月末までに新聞記事データベースで調べてもみつかりませんでしたが、まちがいなら訂正します)。

また、駒大の場合は、朝日新聞の記事が出る前に、J-CASTニュースが取材をして記事にしていますが、その取材に対しては真実を知らせようとしなかったようです。

http://www.j-cast.com/2008/11/13030307.html

そもそも、同様の巨額損失を抱える大学は、日本中に山ほどある可能性が高いのです。ここでは大学名を挙げませんが、明らかに巨額損失を抱えているはずだと、私が推定している有名私立大学がいつくかあります。

つまり、大学側はもちろんのこと、日本の大手メディアも、この件を表面化させないようにしていると感じられます。

しかし、大学のデタラメな資産運用の問題は、水面下でかなり恐ろしいことになっているのが確実で、同じ問題は、地方銀行や信用金庫などでも起きています。地方自治体の外郭団体などでも、基金の大部分を事実上失ったところがいくつもあるはずです。

駒大の事例が表面化したのは、比較的単純な運用をしていたからではないかと思うのですが(まちがっていたらごめんなさい...)、他の多くの場合では、とても複雑な金融商品が売り込まれていたりします。その詳細について説明しようとすると、本を1冊書かないといけなくて、実際にそれを書いた拙著『金融商品にだまされるな!』(ダイヤモンド社、2007年)をお読みいただくしかないのですが、巧妙に損失を先送りできるような金融商品が売り込まれています。

今回の駒大の報道をきっかけに、ぜひとも、日本中に蔓延するデリバティブ絡みの金融商品の問題点が、もっともっと明らかになることを祈っています。

......本気で祈っています。どれくらい本気かというと、切羽詰まった原稿の執筆を中断してブログを書いているほどですから。

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2008年11月17日 (月)

日本の大手銀行にも、昔は「まっとうな銀行員」がいた

今日は、朝5時に家を出て、6時すぎの広島始発の新幹線で東京に行き、午前1040分から午後3時30分ごろまでNHKで打ち合わせ。そのあと新幹線で名古屋に戻り、大学でちょっとだけ仕事をしたら、ああもう午後7時を回っていて、同じフロアの教員は全員帰宅していました。

ということで、いつものThe CAFE / eat salonhttp://www.thecafe.jp/)で、いつものキャベツが大盛りのピザを食べながら、ブログを書いています。

いまのところ事情を書くことができませんが、私は、かつて勤めていた銀行を相手に裁判を戦っている中小企業に味方して、専門家としての意見を書いたりしています(しかも複数)。この点は、過去に発表した論文にも書いてありますので、はっきりと公表していることですが、やはり個別の内容は書けません(いまのところは)。

それで、その関係の新しい書類を先ほど読んで、本当にがっかりしました。学生のレポートなら、明らかに「不可(不合格)」ですね。

私が勤めていたときにも、ひどい銀行員はたくさんいましたが、尊敬できる先輩も多くいました。そこで、半年ぐらい前に、ダイヤモンド社の雑誌に書いたエピソードを、もう少しきちんと書きます。

もう20年ほど昔になりますが、銀行員だったときに一度しか会っていない先輩がいます。名古屋大学の出身者のはずで、3~5歳上の先輩だと思うのですが、お顔もお名前もまったく思い出せません(バカな私は、そのとき教えていただいた話のありがたさに気がつくのが遅れたため、お名前も忘れたのでしょう)。

でも、そのときの話は強く印象に残っています。当時その銀行で一番の花形とされる仕事をしていた人でした。大手商社や大手製造業など、すごく重要な取引先企業の案件を、その企業に関する限り、すべてまとめて担当する部署で活躍する、バリバリのエリートでした。

その先輩が大学生(名古屋大学の学生)の採用活動を手伝いに名古屋に来て、銀行が狙いをつけた学生に自分がいかに華々しい仕事をしているかを話したあと、新入行員の私たちを食事に誘ってくれました。

私は、その面接には出ていませんでしたが、たまたま、採用チームの拠点にいたら、昼食に誘われました(だから、先輩の名前なども覚えにくかったのですが)。

するといきなり、

「さっきは、学生を勧誘するためにあんな話をしたけど、僕がやっている仕事の9割は伝票の整理などの雑用で、格好いい仕事は1割ぐらいしかない。雑用を手伝ってくれる女子行員がいるけど、自分でやるしかない雑用は多いし、それを手早くきちんとやって、本当にやりたい仕事をやる時間をいかに作り出すかが大切なんだ。そこを勘違いしないでくれよ」

と釘を刺されました。

ところで、本を執筆するというかなりクリエイティブな仕事においても、雑用はとても多いのです。特に、書き上げた原稿を読み直し、言葉遣いをチェックしたりする作業は、本当に退屈で苦痛です。

今日も、わざわざ東京のNHKに行き、いつも紹介している『出社が楽しい経済学』(NHK教育テレビで来年1月から放送)のテキストについて、急きょ、長時間の打ち合わせをしてきたのですが、はっきり言って、執筆そのものの時間よりも、打ち合わせの時間のほうが長い!

そういった雑用は、その時点では仕事の進行を妨げるようにみえたりします。私も、かつてはそう考えていました。

ところが、原稿を何度も書き直していれば、文章は少しずつわかりやすくなります。いろいろと打ち合わせをしていると、何かの拍子に新しいアイディアも浮かびます。

しかも、日常の業務で繰り返し行う雑用(仕事)の技能を、仕事をしながら磨くことは、いつも改善への意識を持ってやっていれば難しいことではありません。

それで、銀行を辞めて、かなり経過してからやっと、つぎのことに気がつきました。

すでに職に就いている人が仕事の能力を高めるための確実な方法のひとつは、とにかく、繰り返し行う仕事について常に向上心を持つことです。

お説教くさくて、すみません(ワインを4杯ぐらい飲んだ状態なので)。

でも、いまはヤクザよりひどいことを平然とやる人たちが主流派になった企業にも、昔は「まっとうなビジネスマン」がいたんだよなぁ……と、つくづく思いながら、酒を飲んでいます。

以上、酔っぱらいの戯言でした。

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2008年11月14日 (金)

NHK教育テレビ『出社が楽しい経済学』誕生の舞台裏

いま、すごく大変な事態に直面している。それで、本当はブログを書いている時間などないはずだが、こういうときに限って、書きたくなって、実際に……

何が大変かと申しますと、すでに告知しているNHK教育テレビで来年1月から始まる番組『出社が楽しい経済学』のテキスト執筆のこと。締切まで本当に時間がない中で、大幅な追加執筆が必要だとわかった。その本が出たところで、いずれまた、細かな事情をブログに書きますが、他人が分担したところについて、私のほうでかなり書き直したいという状態です。ところが、そのための期間がほとんどもらえない。

さあ、どうするか?

しかも、その原稿を書かずにブログを書いているし……もちろん、先ほどまで原稿の修正を考えていた(このあとも考える)のですが、いまはその仕事を30分だけ忘れることにしました。

じつは、そのテキストの中には、NHKのディレクターが書いているコラムがあり、その原稿を読んで、偶然の積み重ねがこの番組につながったことを知りました。

番組は12回で、毎回、ひとつのキーワードを中心に説明する構成ですが、そのうちの11回はミクロ経済学の内容なのに、1回だけ、むしろマクロ経済学に関する回がある。12回ぶんのキーワード選択には、私もかなり意見を述べましたが、「どうせなら全部ミクロ経済学のほうが統一がとれていていい」と何度も言った気がします。それでも、番組の企画を出したNディレクターが1回ぶんは「実質金利」の話をしたいと固執し、実際には「割引現在価値」というキーワードが入った。そのなかで、実質金利の概念も説明しています。

なぜ、Nディレクターが実質金利の説明をする回をどうしても入れたかったのか、また、そもそもこの番組はなぜ企画されたのか、今回、Nディレクターが書いたコラムを読んで、やっとわかりました。

2年前の200612月中旬に、NHK総合テレビで土曜の朝に生放送をおこなっている「家計診断」という番組に、私が出演した。そのときの担当がNディレクターで、題材は、当時流行していた金融商品の広告。特に、「満期を銀行が決めるタイプの定期預金」の危険性を説明することが中心テーマでした。

それで、「実質金利の説明をしてから、それを使って説明しないと、本当の問題点はわからない」と、私は何度も主張した(らしい)。しかし、30分の番組で、高齢者などもたくさん観るし、その人たちにできるだけわかりやすくと考えれば、「実質金利という経済学の専門用語をそのなかで説明するのは無理だ」と、Nディレクターは判断した(実際に、その番組のなかでは実質金利の説明はしなかった)。

しかし、私との議論をきっかけに、Nディレクターは「経済学の基礎をきちんと説明する番組を企画したい」とも思ったらしい。これが『出社が楽しい経済学』の誕生につながったとのこと。

なるほど、だから12回の中に「割引現在価値」という、ちょっとグループから外れた回ができたのか!

それで当時のことはよく覚えているのですが、200612月の出演は、まさに偶然の積み重ねで実現したのでした。

Nディレクターから出演依頼のメールが来たとき、本当は、即座に断るつもりでした。というか、すぐに断りのメールを書こうとしていました。それなのに、メールが届いたときに偶然、そのあと『スタバではグランデを買え!』として出版される原稿に使う新聞記事を整理するために、週に1~3回、数時間ずつのアルバイトをお願いしていた中国人留学生(当時は、私が卒業し、非常勤で教えていた名古屋市立大学の大学院に在籍中)が私の研究室にいて、新聞記事のコピーをしてくれていました。

私は、「NHKからの出演依頼が来てる。あっ、でも無理。この日は絶対に無理だから、断るしかないね」と、その留学生にしゃべった。私の過去の本を全部読んだことがある人なら、私がNHKの制作する経済番組を自著で何度も批判していることを知っていると思いますが、だから、そのときの出演依頼を断るのに何の躊躇もなかったのです。

出演依頼を受けられないと私が即断した理由は、当時幼稚園の年少組だった息子の幼稚園での最初の劇発表会の日と重なっていたからです。妻から、その日は絶対に仕事を入れないように念を押されていましたし、もちろん、私も楽しみにしていました。

アルバイトの留学生が「どうして断るんですか?」と質問してきたが、その事情を説明して、「うちの奥さんが許すはずもないしね」と笑いながら言い、断りのメールを書こうとした。しかしその留学生が、「奥さんに電話して一応相談してみるべきです。それから断っても遅くないでしょ」と粘った。

少し押し問答をして、ふと思いついたのは、「朝の番組だし、幼稚園の発表会のスケジュール次第では、出演してから広島に向かって、息子の発表だけは観られるという可能性もある」ということ。

じつは、これが最初の発表会だから、そう思ったのであって、現実にはまったく無理な話でした。ということで、息子が幼稚園に通い始めて2年目か3年目なら、すぐに番組出演を断ったでしょうね。

結局、その日の夜は一度用事があって実家に寄り、自分の家に自転車で移動する途中、妻に電話が通じた。どの信号のところで自転車を止めて、携帯電話で話をしたかもよく覚えています。

幼稚園の発表会のスケジュールを聞き、午前中に終わると聞いたとき、「それじゃ無理だね。NHKに断るよ」と言ったら、妻が「それって全国放送なの?」と聞いてきた。

「そうだと思うよ」

「へぇーすごいじゃん。出たら?」

その妻のひと言で、結局出演を引き受けることになったのですが、私としては複雑な心境でした。息子が幼稚園で発表会の練習をしていることを知っていた私は、本当に発表会を観たかったからで、いまでも息子には、「ねぇ、あのとき、どうしてお父さんはボクの劇発表会を観に来てくれんかったんか?」と、たまに聞かれる。

悩んだうえで引き受けた理由は2つ。そのどちらかでも欠けたら、たぶん断っていたでしょう(悩みもしなかったでしょう)。

1に、その話があったのは、まだ父が亡くなってから1ヵ月も経っていないときで、父の葬儀から四十九日法要までの間だったこと。遠くから四十九日法要に来てくれる親戚たちは、みな年寄りなので、私がNHKに出るという話をすれば、喜んでくれることがわかっている(その少し前に、たまたま、関西ローカルのテレビのインタビューを受けたのですが、そのビデオを奈良に住む親戚が父の葬式のときに持ってきてくれて、親戚たちがくり返し観ていましたから)。それで、「まあ、少しは恩返しになるか」という気持ちがありました。

2は、取り上げる金融商品が、先に述べた「満期を銀行が決める定期預金」だったこと。オプション取引(デリバティブの一種)と呼ばれるやや複雑な金融取引を組み込んだ金融商品で、その危険性を訴えるために、この金融商品を取り上げてくれる新聞やテレビなら、できるだけ協力するつもりでいました。

じつは以前、朝日新聞の数人の記者と会食をしたときにも言われたことがありますが、多くの人は、私が「マスコミ嫌い」だと思っているようで、それはある程度真実でした。この金融商品がメインの題材でなければ、息子の発表会に欠席してまで出演したりはしなかったでしょう。

アルバイトの留学生が研究室にいるタイミングでメールが来たのは、本当に偶然で、しかも、幼稚園の行事に不慣れで、発表会のスケジュールをくわしくは知らなかったから、一応妻に確認しただけで、父の四十九日法要とか、題材が当時の私が問題視していた金融商品であったとか、いろいろな条件がすべて積み重なって出演した番組の打ち合わせがヒントになって、Nディレクターが「あのとき吉本さんの研究室で話をしなかったら、きっとこの番組は生まれませんでした」と語る番組につながった。

そう思うと、「本当に偶然って恐ろしいなぁ」と感じます。

ここまで書いて、いま本当に恐ろしいのは、番組テキストの仕事をする時間が足りないことだと思い出しました(30分どころか、1時間を超えて余所事をしてしまったし)。

しかも、その解決を手伝ってもらうために、Nディレクターにメールを書く必要がある。

この続きは、またいずれ。

なお、つぎのブログ更新は、しばらくあとかもしれません。

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2008年11月13日 (木)

WRC(世界ラリー選手権)のRally Japan 2008を家族で観戦してきました……すごく楽しめました!

約2週間前の話ですが、絶対書きたかったことなので、書きます。

うちの息子(幼稚園・年長組)は、とにかくクルマが好きで、この2年間は特にWRC(世界ラリー選手権)にハマっています。くり返しDVDを観て、おもちゃのラリーカーで遊ぶ。絵を描いても、工作をしても、WRCのクルマを描いたり、紙で作ってみたり。主要なドライバーの名前はすべて覚えていて、過去のレース結果なども、自分がDVDで観たものは暗記しています(この年齢の子供の記憶力は驚異的ですから)。

おかげで、妻も私もWRCについて興味を持つようになり、ついには、今年の1031日から112日まで、札幌を中心に開催されたラリー・ジャパンに家族3人で行ってきました。

31日(金)には行くことができず、11月1日(土)の朝、息子の幼稚園のイベント(作品展)に行ったあと、広島空港から一度東京を経由して札幌へ(札幌に直行する飛行機がまったく予約できなかったからです)。新札幌のホテルにチェックインしてすぐに、札幌ドームに向かい、その夜のレースを札幌ドームで観戦。

翌2日(日)も朝から夕方まで、札幌ドームでレースを観戦したり、各チームがクルマを整備したり修理したりするテントを回って見学したり、グッズを買ったりしました。それでレースは終わりましたが、夜は小樽のお寿司屋さんへ。翌3日(祝)も北海道に残って、小樽の水族館に行ったあと、広島に戻りました(さらに翌朝、私は広島から名古屋に戻りました)。

とにかく、おもしろい!!!

レースで走るクルマも格好いいし、その前後に会場に出入りするラリーカーをすごく近くで観ることができるし……主要なドライバーについては、すべて目の前を通っていくのを観ることができました。

うちの息子は、主要なドライバーはみんな大好きなのですが、特に、スバルのラリーチームを応援していて、当然ながら、うちの家族は全員でスバルワールドラリーチームの服を着て(息子はその帽子もかぶって)応援していました。

そもそも、スバルは、このレースの前に日本各地でイベントを開催していたのですが、たまたま、広島で開催されたときには家族全員が広島にいましたので、広島のイベントに行き、そのあと愛知(中部国際空港)で開催されたときにも、家族全員が名古屋にいましたので(偶然、亡き父の三回忌法要があったので)、そちらのイベントにも行きました。両方に続けて行った家族は、そうそういないと思います。

それで、札幌のレースも観て……この夏から秋にかけての私は、家族で過ごす時間以外は、とにかく仕事をひたすらこなしていたので、余暇はWRCのイベントにしか行っていないという印象です(実際そうですし)。

WRCにくわしい人なら知っているでしょうが、スバルは最近成績が低迷していて、シトロエンとフォードがいつも優勝を争う状態です。うちの息子はシトロエンとフォードも大好きなので(要は、ラリーカーなら何でも大好きなので)、うちの家族は、スバルに勝ってほしいと思いつつも、シトロエンやフォードやスズキなどのクルマも応援していました。

レース結果は、事前情報を持っていた人の多くが本命と予想した(私たちも本命と予想した)フォードのミッコ・ヒルボネンが勝ち、3位に入ったシトロエンのセバスチャン・ローブが年間チャンピオンを決めました。セバスチャン・ローブの年間チャンピオンは5年連続で、これは史上初。ミッコ・ヒルボネンはラリー・ジャパンを昨年・今年と連覇し、これも初めての快挙(ラリー・ジャパンは2004年の初開催から昨年まで、すべてちがうドライバーが勝っていた)。

ミッコ・ヒルボネンは、2004年にはスバルで出場していたドライバーなので、日本にもファンが多く、もちろん、うちの息子も、ミッコ・ヒルボネンの勝利やセバスチャン・ローブのドライバーズ・タイトル5連覇を喜んでいました。

日本人に一番人気があり、うちの子供も一番好きな、スバルのエースのペター・ソルベルグは、記念すべき初回のラリー・ジャパンで勝っていましたが、そのあとはマシンの調子がいまひとつで、2006年からは勝利がなくて苦しんでいます。

今回も、初日は調子が悪かったのですが、2日目に入って好調になりました。ところが、運悪くマシンを壊してリタイヤ。2日目の夜の札幌ドームでのレースには登場せず。それでも、そのレース後にスバルのテントを観に行くと、後ろがメチャクチャに壊れたクルマをメカニックが必死に修理している。ルール上、翌日に復活して走ることができるので(順位は大幅に下げられますが)、それをめざしているようでした。

祈るような気持ちで、翌日の札幌ドームに行くと、ペター・ソルベルグはしっかり走ってくれて、思わず感動しました。これもWRCのファンならよく知っていることですが、ペター・ソルベルグは本当にファンサービスがいい(他のドライバーもファンへのサービス精神はすごいのですが、ペター・ソルベルグは別格という感じ)。その姿を生でみて、とにかく息子は大喜びでした。

私たち夫婦は、WRCも堪能しましたが、本当は、小樽のお寿司屋さんに行くのを一番の楽しみにしていたので、日曜の夜に実際にそこでお寿司を食べることができて、100点満点の旅行でした。

そのうえ、驚くべき幸運が、帰りに新千歳空港に行った私たち家族を待っていました。息子が疲れて眠りかけていたため、少し早めに手荷物検査を済ませて、出発ロビーにいて、私がなんとなく、土産物をみに行くと(結局買わなかったのですが)、目の前を見覚えのある白人が通り過ぎました。

「あれ?」と思ったときには、WRCのファンだと思われる男女が声をかけて、写真撮影をお願いしている。じっとみると、「やっぱり、ミッコ・ヒルボネンだ!」

慌てて妻と息子のいる席に走っていき、私が荷物の番をして、2人をみに行かせました。「あっちに行ったけど、真っ白の帽子をかぶっていたから、きっとわかると思う」と伝えると、2人はしっかりみてきた様子。戻ってきた妻が、何かサインをもらうものがあればいいのに、こんなことを想定していなかったから、サインペンも持っていないことを嘆く。

そのとき、私が思い出して、「いや、ちょうどいいものがある」と妻に手渡したのは、前々日に札幌ドームで買った「公式パンフレット」と青色のボールペン。公式パンフレットなので、昨年のラリー・ジャパン勝者で、今年はフォードのエースとして出るミッコ・ヒルボネンの大きな写真が載ったページがあり、それを開いて、「この余白にサインしてもらえばいい。青はフォードのラリーチームの色だから、青いボールペンがぴったりだよ」と言うと、妻が本当にもらってきました。昨日の勝者であるミッコ・ヒルボネンのサインを。しかも、公式パンフレットに。しかも、すごくきちんと書かれたサインです。

我が家にとっては、すごい宝物です。気軽にサインに応じてくれたミッコ・ヒルボネンに感謝です。本当にありがとうございました。

できれば、このブログにその写真を載せたいとは思いましたが、肖像権などを考えて載せないことにしました。公式パンフレットは、ネットでもう1冊買って(ちょうど昨日、私のところに届いたのですが)、サイン入りのパンフレットのほうをバラバラにして、サインのあるページを額縁に入れて家に飾る予定です。

つぎは、レース前のイベントにも参加して、ペター・ソルベルグとセバスチャン・ローブのサインももらいたいところですが、来年は息子が小学生になるので、そんな日程でレース観戦に行くのはむずかしいことがわかっています。また、そもそも来年はラリー・ジャパンが開かれない予定です(隔年開催になりそうなのです)。

恐ろしいことに、妻と息子は、夏休みに海外でおこなわれるレースを観に行くことも検討しているようですが、飛行機に乗るとすぐに耳が痛くなる(実際に今回は、いまでもまだ耳の調子が戻らない)という理由で、飛行機が苦手な私は、「5時間以上飛行機に乗るのは絶対にイヤだ」と公言しています。

さて、来年はどうなるのやら。

とにかく、ラリー・ジャパン観戦旅行は、我が家にとって今年一番の思い出になりました。年賀状の写真(息子の写真しか載せませんが)は、そのときの1枚にもう決まっています。

旅行に行く前に、すごい勢いで仕事をこなし、戻ってからもひどいスケジュールで仕事をさせられている私は(そうさせているのは、大学とNHKですが)、つぎは12月下旬の冬休みの家族旅行を楽しみにするしかない状態です(妻も仕事が忙しいので、同じことですが)。

周囲のいろいろな人に迷惑をかけながら、自分の健康をボロボロにしながら、なぜか、忙しく仕事をするのが楽しいと感じてしまう私は、ただの仕事バカなので、どうにもなりません。ご迷惑をおかけしている皆様に、ここでお詫びいたします。本当に申し訳ありません。

また、すでに告知しているNHKの番組のテキスト執筆・編集の仕事が、これから10日ぐらい、「とても無理!」と叫びたいスケジュールで入っていて、大学の講義と雑用もありますので、ブログの更新が滞りがちになるかもしれませんが、できるだけ、ブログを書きたいと思っています。

番組は計12回ですが、そのうちの5回の試写を11日(火)に東京のNHK内で観てきました。すごくおもしろい!!!

この話もいずれ書きます(NHKの許可は取っていないのですが)。

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2008年11月 9日 (日)

2冊の『価格と生活の経済学』の中で、「議論のきっかけになってほしい」と願って書いた内容について(その1)子供の医療費の無料化

拙著の内容について、個人のブログなどもふくめて、あちこちで取り上げていただき、少しでも多くの人がその題材について考えるきっかけになってくれると、著者としてとてもうれしく感じることがあります。

意外な取り上げられ方をして、正直なところ、苦笑いするしかないこともありますが……

副題が『価格と生活の経済学』になっている2冊の本のうち、まずは『スタバではグランデを買え!』で特に話題にされた話から。

●子供の医療費の無料化について

この本は出版までに紆余曲折があって、一度完全に書き上げた状態でダイヤモンド社に持ち込み、ページ数を3分の1ほど削ったうえでの出版となりました。それで、子供の医療費の話も一部削ったところがあります。それをここで補足しておきます。

特に、地方自治体ごとに対応が分かれていることが問題ではないかと、私は考えています。

たとえば、小さな子供がいる家族が、お父さんの転勤で東京に移り住むとします。どの区が子育てのコストが安いかを調べて、子育て支援が多い区で家を借りる。よくあることです。

ところで、子育て支援が充実した地方自治体は、子育て家庭にどんどんおカネを注ぎ込むわけですが、それを狙って転居してきた人たちは、地方自治体の財政からみれば、子育て支援の「食い逃げ」をおこなうことが多いでしょう。

子供が小さい時期だけそういった地域に住み、いろいろな手当を受け取り、子供向けの医療サービスなどを無料で受けたうえで、子供が大きくなるころには、またどこかに移り住むといった行動パターンが合理的だからです。

でも、もともと、政府が「子育て支援をすべきだ」っていう話は、少子・高齢化の対策として出てきていて、地方財政上の論理としては、「いま子育て支援をしておけば、その子たちが大きくなってからその地域の財政や経済を支えてくれる」といった期待があるはずです。

ところが、そうはならない。賢い親たちは、子供が小さいときだけ、支援を受けにやってきて、子供が大きくなって負担を背負わされそうになったら、外に出て行く可能性が高い。

そういう行動を取るのは、子を思う親としては当然で、親が悪いのではなく、制度のデザインが悪い。

いまの日本での子供の医療費の無料化の動きには、『スタバではグランデを買え!』に書いた問題点だけでなく、上述の問題点もある。だから、地方自治体が子供の医療費の無料化を競うことには賛成できない。これが私の考えです。

ご意見があれば、ぜひお寄せください。

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クルーグマン教授のノーベル経済学賞受賞についての感想

6~7年前まで、クルーグマン教授の著書の大ファンで、いつも読んでいましたし、学生などにも推薦していました。

経済を学び始める大学1年生が最初に読むのにいい本として、

『クルーグマン教授の経済入門』

を推薦していた時期もあります。

いまは、経済学部の大学1年生に向かっては、

「私の講義なんか聴かなくていいから、その代わりに『ナニワ金融道』を読みましょう」

と言うのが定番ですが、これも、クルーグマン教授より青木雄二さんを評価しているという話ではなく、単に、私の「経済教育」についての考え方が変わっただけです。

やっぱり、クルーグマン教授の本はすごいと思います。

半年前の1年生向け科目(生活経済入門)の講義でも、

「最近のミクロ経済学のテキストとして一番オススメなのは『クルーグマンミクロ経済学』なんだけど、重すぎて持ち運びが大変なのが、唯一の問題ですね」

と言ったぐらいです。

でも、『クルーグマンミクロ経済学』を例外として、最近は、クルーグマン教授の本をあまり読みません。ときどき、『クルーグマン ミクロ経済学』のページをめくったのも、このブログで何度か紹介しているNHKの番組制作でアドバイスするときに、説得力を増すために参考にしていたからです。

クルーグマン教授は尊敬していますし、ノーベル経済学賞受賞も当然かと思います。

クルーグマン教授の受賞を批判する声も少なくないようですが、こういった賞は、受賞すべき人がすべて受賞するとは限らないものだと、私は認識していますから、「先にもらうべき人がいるはずだ」といった意見には賛成できません。

また、学問の業績の評価は、本当にむずかしいので、誰かの受賞を批判できるのは、同じ学問分野でよほどの水準にいる人だけだと思っています。

たとえば、将棋界で史上最強の受け(守り)を誇った故・大山康晴15世名人が指した手が、「すばらしい」という感想は、そのあとの結果をみたり、ちょっとした解説を読んだり聞いたりすれば、素人でも持てると思います(本当に理解できたかどうかは別にして)。

でも、大山名人が自信を持って指した手が「悪い(悪手である)」と評価できるのは、かなりの実力がある専門家(プロ棋士)だけだと思うのです。しかも、大山名人が「悪手」と認めていない手について、他のプロ棋士が「悪手」だと評価したとして、素人には、どちらが正しいかは判断がつきません。

要するに、クルーグマン教授の受賞を批判している人たちの意見には、私は賛成できないと言いたいのです。

ところが、別の複雑な感想も持っています。クルーグマン教授本人に対する感想ではなく、クルーグマン教授の信者のような日本人がたくさんいて、その中でも、

「日本経済がデフレから脱却する方法として、偉大なるクルーグマン教授も提案されているインフレターゲット政策に賛成しない経済学者は、経済学者として失格である」

といった主張をする人たちのことが、私はとても嫌いなのです。

インフレターゲットとか、インフレ目標と呼ばれる政策は、理論的には、十分に有力な政策アイディアだと思いますが、現実の経済問題への解決策として検討するときには、賛否両論が出るのが当然のものだと、私は認識しているからです。

なお、この点をきちんと説明しようとすると長くなりますので、それはまた別の機会にします(逃げる気はなく、いずれブログで書くつもりはありますが、それならきちんと本の中で書きたいという気持ちもあります)。

今回は、私が最近はクルーグマン教授の本をあまり読んでいない理由を言い訳しつつ、でも、クルーグマン教授のノーベル経済学賞受賞についての感想を述べさせていただきました。

いまでも少し古いネタですから、とりあえず、急いで「受賞のお祝い」を書きたかっただけです。すみません。

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2008年11月 8日 (土)

偏屈な著者、書店に偵察に行く

自分の本が出版になったあと、主要な本屋さんを回り、どんな風に並んでいるのかを偵察したりします。

特に昔は、名古屋の主要書店で棚に並んでいる本の冊数を、出版社に報告すると、出版社の営業担当者が喜んでくれたので、出版社の営業活動に協力するつもりでやっていました。

私は、本を書いているときには、出版社からの「もっと売るために、こういった内容を入れてくれませんか」といった要望は断固として拒否します。だから、新書なのに500ページを超える本といった、いかにも売りにくそうな本を書いてしまうわけです(2005年に光文社新書から出していただいた『金融広告を読め』のことです)。

そんな風に、執筆時は営業にとても非協力的な著者なので、執筆したあとぐらいは、営業に協力したいと思っています。ある意味では、すごくわがままですが、著者の姿勢として、これはお許しいただくしかない。

それで、私が名古屋で一番よく通うのが、名古屋駅地下の三省堂さんです。通う頻度は、大学内にあるブックセンター(紀伊國屋さん)のほうが多いでしょうが、店にいる時間を累計すれば、三省堂さんのほうがずっと長いです。

ずいぶん前ですが、業界内の新聞か雑誌かに、その三省堂の店員さんが書いた記事があり、その中で「(うちの店には)著者(=吉本)もよく来店するらしい」と書かれてたことがあります。出版社の営業担当者を通じて、私が自分の本の冊数をチェックしに行っていたことがバレていたようです。

1998年秋に出した『The Economistの記事で学ぶ「国際経済」と「英語」』のときか、1999年秋に出した『金融工学の悪魔』のときの話です(出版社がともに日本評論社なので、どちらのときの話かを忘れました)。

懲りない私は、今日(118日)も、今日が発売日の『クルマは家電量販店で買え!』が並んでいるかを、名古屋駅の地下街と高島屋内の三省堂さんに偵察に行き、それはちらっとみただけで、あれこれ本を買い込んで、研究室に持ち帰りました(本だけで2万円近く買ってしまいました)。

みつけやすいところに並べていただいたのを確認し、とりあえずは、ほっとしました。ただ、売れるかどうかは自信がありません(毎回、自信などないのです)。自分の本とは別に、すごくいい本なのに、さほど売れていない本をいくつもみつけるからです。

そもそも、出版ビジネスをすごく大まかに、「売ること」を最優先にして企画された本と、「この内容を読者に伝えたい」を最優先にして企画された本に分けて考えると、後者の本が売れるかどうかは、まさにギャンブルだと思います。

私の本は、著者は後者の本として勝手気ままに書き、そのあと出版社が、いかに前者の本に近い形で売るかを、タイトルや表紙のデザインや広告の出し方などで工夫するという、変な本になっています。

そのため、著者と出版社(編集者)が最初から売れる本をめざして企画した本と比べると、私の本は「あまり売れそうな感じがしない」というのが、私の正直な本音です。

実際に今回も、「冒頭の題材が軽自動車なのは、いまひとつ。たとえば、少しだけでもスタバのネタから入ってくれれば、売上が相当ちがってきます」という、編集者の度重なるお願い(要求?)をその都度突っぱねて、私が好きなように書いたままの状態で出版していただきました。

それで、好き放題に書いた本なのに、宣伝だけうまくやれば売れると思えるほど、私は楽観的ではないのです。ただ、今回の内容には、それなりに自信があります。書きたいことを書いたという達成感もあります。

あとは運を天に任せるだけですが、結果はどう出るでしょうか?

なお、『クルマは家電量販店で買え!』が実際に書店に並び始めました(Amazonでも発送が始まりました)ので、つぎからは、本の内容に関したことも書きたいと思います。

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フリーランス宣言!

数日前、家族で、夕食の食材の買い物に行ったときの話。

6歳の息子(幼稚園・年長組)が、野菜売場で妻の手を引っ張り、「ニンジンとダイコンを買え!」という仕草をした。実際にはニンジンとセロリを買ったのですが、息子は「お父さんはもっと野菜をたくさん食べて、ダイエットもして、健康に気をつけないとダメだ」と常々思っているようです。

うーん、情けない父親だ。もちろん、私のことです。

体重が100キロを超えてしまい、かつ、明らかに体調が悪い。

そもそも、私は1日9時間ぐらいは寝ないと、何にもできないというタイプの人間で、睡眠時間を削って何かをするというのは、珍しいことでした。ところが今年は、6月下旬から9月中旬まで、2ヵ月半以上、睡眠時間が1日につき5時間を超えない(ほぼ毎日4時間半)という日が続いた。

さすがに、後半は、ときどき頭痛がするし、体はいつも重く感じるし(本当に重くなっていくし)で、ひどい状態になったのですが、体内時計が4時間ちょっとの睡眠というリズムを覚え込んでしまったので、睡眠時間が長くできなくなりました。

仕事をするには好都合だったため、ときどき家族と過ごす時間以外は、ひたすら仕事を続けました。前にも書きましたが、私は名古屋で働いていて、妻と子供は広島にいるため、単身赴任状態で、夏休みは10日ほど家族で過ごしましたが、あとは、3週間に1回ぐらいのペースで、土日に家族サービスという感じでした。

家族で過ごすときには、クルマで遠出することも多く、夏休みのほとんどはプールに行っていた(幼稚園児はプールが大好きです)ので、それはそれで疲れます(太りすぎの自分が悪いのですが)。また、家族と過ごすときも、早朝に起きて仕事をしていました。

話がやたらに長くなりましたが、結論はつぎのこと。

こんなことを続けていたら、いつ倒れるかわからないと考え、大学教員を辞めることにしました。

大学教員と執筆業の両立がむずかしいとして、ふつうは、前者を残して、後者の仕事を減らすのでしょうが、過去10年近く、実際にそうしてきた私には、莫大な債務があります。おカネ(借金)の意味ではなく、出版社から依頼され、書く約束をしながら書いていない本がたぶん10冊以上で、これを「多重債務」と呼んでいるのです。

その精神的な重荷は、かなりきついものがあり、とりあえず2~3年は、本の執筆に専念しようと決意しました。

問題は、収入が不安定になることです。好きなように執筆をして、執筆をしているときには、売れそうな題材を無理に入れるといったことはしない(編集者泣かせの)タイプなので、運よく売れる本もあれば、やっぱりという感じで売れない本もあります。

解決策として選択したのが、昨年出した3冊の中で一番売れた『スタバではグランデを買え!』の続編を書くことでした。すると、収入面の不安は小さくできますが、もっと前から待っていただいている出版社やその編集者の方々に対しては、そちらの本を書かずに、先に昨年の本の続編を書くのですから、ひどい不義理をすることになります。

そこで、続編(=『クルマは家電量販店で買え!』)が出版される段階では、大学を辞めることが確定していて、公表もできる状態にしておき、本の中でも、ブログでも、それを公表しようと決めていました。

実際に、『クルマは家電量販店で買え!』の「はじめに」で、つぎのように書きました。

 他の複数の出版社の方々には、ご依頼いただいた原稿を書かずに、本書を優先して執筆してしまったことを、深くお詫びいたします。安易にお約束しながら執筆していない企画がどんどん積み重なって、その意味では多重債務状態にあるのですが、2009年4月から数年は、大学教員を辞めて、本の執筆に専念するつもりです。もうしばらくお待ちいただければ幸いです。

上記の部分を読んで、ダイヤモンド社の担当編集者の加藤貞顕さんは、「こんなことが書いてある本は、初めてみました」と笑っていました。

私だって、書きたくて書いたわけではなく、でもこれを書いておかないと、申し訳なくて、このあと他社の編集者に会えないと思ったわけです。

言い訳ついでに、もうひとつ。

先に告知したNHKの番組に協力したのも、すぐに大学を辞めると決めていたからで、そうでなければ、過去に依頼されている本を書くことを優先したと思います。

どんな理由を並べても、言い訳は言い訳にすぎず、結局は、依頼されていた原稿を書くことでしか、お詫びできないことも、よく承知しているつもりです。

それで、これからがんばって本を書くためにも、このブログをもう少し工夫して、読者が読みたいテーマや内容や題材について、このブログにお寄せいただくコメントなどから情報収集できるようになればと願っています(これも、本を書かずにブログを書いていることの言い訳?)。

でも、いまは、文章を書くだけで精一杯です。今回は、最後までずっと言い訳で、本当にすみません。

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吉本佳生の著書のつくり方に関する誤解を解く(その1)

私の本のほとんどは、ほぼ100%書き上がっているか、そうでなくても、ほぼ100%の構成が決まっていて、作図(そのまま本に掲載できる段階までの清書)も終わっているかの状態でしか、出版社の編集者がみることはありませんでした。

つまり、構成・内容・図のレイアウトなど、すべて勝手気ままに書いたあとで、出版社(その編集者)に「こういう本を書いちゃったんです(書き終えそうなんです)が、よかったら、出版してもらえますか?」と言いながら売り込んで、ダメなら他の出版社に持ち込む。それでもダメなら、また別の出版社に持ち込んで……というのが、私の基本的な執筆のやり方です。

『スタバではグランデを買え!』も、構成もできあがって、中心となる章も書き終えてという段階から、3つ目の出版社でやっと出してもらったというのが、実情です。

だいたいのテーマが決まっていて、それで書いたという本もありますが、「オプション取引について」とか(『金融工学マネーゲームの魔術』のとき)、「金融商品の広告について」とか(『金融広告を読め』のとき)、「前の本の続編になるような感じで」とか(『クルマは家電量販店で買え!』のとき)の、すごくアバウトな合意しかなく、それで好きなように書かせていただくというのでないと、本が書けないという、ちょっと変わった著者なんです。

出版社ともっと細かな点まで合意した企画は、すべて未執筆になっていて、それも頭痛のタネです(何とか書きたいという気持ちは、まだあります)。不自由な執筆は、本当に苦手なんです。

もちろん、出版してもらう出版社が決まった段階では、編集者の意見も参考にして、一部書き直したり、大幅に削ったりします(元々、分量的に書きすぎてしまうタイプなので)。でも、編集者が提案した題材についての加筆とかは、ほとんどしません(何かと理由をつけて拒みます)。

それなのに、私の著作について、編集者主導で構成などが考えられていると思っている人も、少なからずいるようです。他の著者で、そういった人が多いことは知っていますから、仕方がない勘違いだと思います。

でも、せっかくブログを始めましたので、本当のところを説明したくなりました。

さらに、私の執筆法を公開すると、図は、基本的に、すべて私が清書までして、そのまま掲載してもらっています。そのため、作図にはすごく時間がかかり、1ヵ月ぐらいかけることが多いのが実情です。

執筆の手順も述べると、まずは作図から入ります。

それで、作図が終わったところで、文章を書くのです。その途中で図の修正もしますが、原則として、作図が先、文章があとです。

『スタバではグランデを買え!』も、『クルマは家電量販店で買え!』も、1ヵ月ちょっとで作図をして、つぎのほぼ3週間で、文章を書いています。そのあとの推敲にも、執筆と同じぐらいの(場合によってはそれより長い)時間をかけます。

だから、執筆作業のうち、文章を書く時間が占める割合は、意外に小さいのです。変な著者ですよね。

この話の続きは、いずれまた。

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2008年11月 7日 (金)

名古屋でオススメの店、The CAFE / eat salonで祝杯

拙著『クルマは家電量販店で買え!』は、公式には118日発売になっていますが、出荷は前日の117日、つまり今日ですから、よく食事をさせていただくお店で、ひとり祝杯と考え、席に座ったところ、お店からシャンパンをプレゼントしていただきました。

お店の名前は、The CAFE / eat salon

このお店には、素敵なホームページもありますので、興味がある方はこちらを…

http://www.thecafe.jp/

すごくお洒落で雰囲気のいいお店で、ランチタイムはいつも満席の店ですが、そんなお店で、私はときどき執筆をしながらお酒を飲んでいます。

最近は、健康状態が悪い私のことを心配してくださって(本当は私のためではなく、私が勝手にそう思いこんでいるだけですが)、新しいメニューができました。

「キャベツのピクルス漬けピッツァ風」1050

とにかく美味しいし、キャベツが山盛りでヘルシー。

たぶん、6回ぐらい連続で、来ると最初に注文しています(10回以上は続く予定です)。本当に美味しいんです。

20081107

我慢できずに一切れ食べたあとの写真です(写真を撮る前に1切れ食べないと我慢できないという気分でした)。

結構大きいことを示すために、拙著を基準にしてケータイで写真を撮りました。拙著の上に写っているのが、お店からいただいたシャンパンです。

満席でお店に入れないこともよくあるので、本当は紹介したくないのですが、苦労して書いた本が出版になって、気分がいいので、ご紹介します。

先日、ランチタイムにNHKの撮影スタッフさんたちをお連れしたときにも、このお店については大絶賛でした(私の仕事ぶりは褒めてくれませんでしたが)。

ただし、吉本のブログをみて来店したと言っても、何の特典もありません。また、このブログも、お店でベルギービールを飲みながら、ノートパソコンに向かって書いています。本当に、雰囲気を壊す客で、いつも申し訳ありません。

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クルマは家電量販店で買え!

2008年11月8日に、ダイヤモンド社から『クルマは家電量販店で買え!』という本が発売になります。

その著者の吉本佳生です。

昨年9月に出版された『スタバではグランデを買え!』の続編です。

本の副題は、どちらも「価格と生活の経済学」ですが、本当は、それに「入門」とつけるべき内容です。とにかくわかりやすく書く、身近な題材をたくさん選び、多くの人が納得できるような話を書く、しかし、経済学を使って考えると、常識的な結論とはちがったものがみえるといった話を書くという姿勢で執筆しています。

上記の本の中で、このブログの告知をしています。発売に合わせてブログを始める決意をしていたわけです。

発売日の前日、つまり今日には、本が出荷されます。それで、ほとんどの本屋さんでは明日以降に店頭に並ぶことになりますが、東京の中心部の本屋さんでは、今日の夕方には店頭に並ぶ可能性があり、だから、今朝からブログを書き始めています。

まだ、いろいろと不十分なブログですが、がんばって書きたいと思います。

予定では、この時期にはバリバリ、ブログを書けるはずでしたが、予定よりずっと時間がない状況が続いていますので、最初から弱気になっています。

時間がなくなっている理由は、上記の本の中でも告知しているのですが、NHKの番組制作と番組のテキストの執筆を手伝っているからです。

先日、その番組のディレクターが言ったことは、私にとって、かなりショックでした。

「今年1年間で、一番たくさんの時間、話をした相手は、うちの奥さんを除けば、吉本さんですね」と、NHKのNディレクターが言ったのです。

確かにそうでしょう。

でも、冷静に考えると、私のほうは家族が広島、私は名古屋の単身赴任生活で、夫婦で会話するというより、ひとり息子とどちらかが会話をする時間が長い。夫婦で会話を始めると、子供が怒る(ボクと会話しろ!ということらしい)。実際に、昨夜も、携帯電話で夫婦で話している内容が何のことかわからない息子が、「ねえ、何のことをしゃべっとるんか? 何でボクに教えてくれんの?」といった感じで騒いで、ろくに会話ができずに、短い電話で切るしかなかった。

ということは、もしかすると、私が今年一番長い時間しゃべった相手は、家族を入れて考えても、NHKのNディレクターってこと?

そう思ったときは、すごくショックを受けました。ただ、やはり家族(妻と子供)のどちらかとの会話が一番長いはずとは思いますが。

私が協力しているNHKの番組は、下記の概要です。

番組名:『出社が楽しい経済学』
放送局:NHK教育テレビ(全国放送)
放送日時:2009年1月10日(土)から3月28日(土)まで、計12回
       毎週土曜日の23:00~23:29

ドラマが中心で、その中に経済学の考え方が出てきます。ドラマに出演している役者さんたちのブログでは、すでに番組の紹介がなされていますので、私も無許可で(NHKに許可を求めずに)こうして紹介しています。
毎回、私は2度登場して、1~2分だけの短い解説をします。ただ、その撮影には、すごい時間をかけました。その裏話などは、いずれ放送が始まるころに書きます。

いま忙しいのは、番組のテキストとなる本が、12月下旬発売予定で(この件も許可なしに書いていますが)、その作業がすごくきついうえに、勤務先の大学の仕事もちょうど大変な時期と重なったからです。

そうそう、今日はこれから、私が教える「マクロ経済学」の中間試験があり、私も試験監督をしなければなりません。

経済学の基礎理論には、ミクロ経済学とマクロ経済学があり、先頭の1文字しかちがいませんが、内容は大きく異なります。

私は、大学ではマクロ経済学のほうを教えることが多いのですが、上で紹介した本と番組は、もう一方のミクロ経済学を中心にしています。

それで今日は、午前中はマクロ経済学の試験監督。午後になると、NHKのNディレクターが電話してくることがわかっているので、またまた長い時間、ミクロ経済学のお話をすることになりそうです。

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