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2009年1月

2009年1月31日 (土)

「出社が楽しい経済学」の放送『第4回 インセンティブ』監修者の言い訳

じつは、2日前から移行作業を開始して、今日からほぼ完全にMacユーザーに転向しました。このブログもMacで書き、Macで投稿しました。一昨日購入したのはMacBookAirで、Macを使うのは12年ぶり。本の原稿では、最終の図版がMacで作成されることが一般的で、フォントの関係があるために、Windowsで作成した図版を渡すといろいろな問題が生じます。
それで、Macへの移行が一番の解決策だとわかっていても、なかなかできなかったところ、約2週間前にLet’sNOTEが壊れた(壊した)。そこで、思い切ってMacに移行することを検討し、やっと実行しました。
とはいえ、毎日何らかの用事が入っている状況が続きましたので、空き時間をやりくりして、3日かけてやっとまあまあ使える状況になりました。でも、Macのいろいろな操作にはまだまだ慣れていません(そりゃそうでしょう)。
ちなみに、EMOBILEのデータ通信カードをUSBタイプに変更するために寄った家電量販店で、うちの妻はEMOBILEのセット販売でSONYのVAIO type Pを買いました(妻がクルマの中で息子を遊ばせているうちに、私が売場に行って私の名義で契約し、妻に渡したのですが)。

さて、第4回の出社が楽しい経済学、テーマは「インセンティブ」でした。経済学的な考え方を身につけるには、結局のところ、徹底して人々の行動に影響するインセンティブに注目すればいい。ただそれだけのことです。
多くの人にとって、現実の人々や企業の行動では、インセンティブは思わぬ方向に働いたりするようにみえる。経済学のセンスが磨かれると、インセンティブの働きが正しく予想できるようになる。逆に言えば、インセンティブが働く方向を正しく予想できるように訓練すれば、経済学の習熟度は上がったと断言できます。
別に、むずかしい経済学のテキストを読まなくても、インセンティブに注目する習慣さえ身につけば、それで世の中の経済現象をみる経験を積むことで、経済学はマスターできます。経済学の理論をテキストや講義などで学ぶことの意味は、習熟の期間を短くするという点にあるのであって、時間をかけていいのなら、経済学の本を読まなくても、経済学の番組をみなくても、経済学的なセンスはある程度磨かれます。
インセンティブこそが経済学修得のカギで、「出社が楽しい経済学」は効率的にそういった内容が理解できるように構成されています。番組をみたあとに、インセンティブに注目する習慣を心がけていただければ、きっと経済センスが高まります。

つぎの第5回は「モラルハザード」、そのつぎの第6回は「逆選択」です。この2つの回は、「情報」の格差が原因で生じるインセンティブの歪み、つまり、インセンティブが悪い方向に働くことでの問題を取り上げています。ぜひお楽しみに。

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2009年1月28日 (水)

生まれ故郷の赤羽不動殿で餅まき

何とか日程をやりくりして、昨日から生まれ故郷の三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区(旧名は紀伊長島町)にある赤羽不動殿のすぐ近くに住む叔母さんの家に泊まり、今日は年に一度の赤羽不動殿の餅まきに参加してきました。赤羽不動殿は、偶然にも、1週間前の朝日新聞(東海版)に天井を写した大きな写真が掲載されていたように、天井の絵が有名なのですが、私は子供のころ、ずっとそこの子供(赤羽不動殿がある大昌寺の住職の孫)として生活し、毎日いろいろな手伝いをして働き、人生に必要なすべての知恵を学びました。

昔は、餅まきなどの行事を年3~4回やっていたころがあり、大学生の4年間も、一度も欠かさずに行事を手伝いに行っていた記憶があります。小中学生のときも、すでに名古屋に住んでいましたが、夏休み・冬休み・春休みのほとんどすべての期間を赤羽不動殿ですごし、朝6時からの廊下の拭き掃除から始まって、とにかく修行をさせられました。

結局、私の仕事上の基礎能力は、ほとんどすべてそこで鍛えられたと言えます。読み書きや計算も、初歩の内容はすべて祖父母に教えてもらいました。

28日が「お不動さんの日」なのですが、4月から新しい生活が待っていますので、今年の1月28日にはお不動さんに行こうと決めていました。何とか実現し、たまたま、餅まきでは、餅をまく側を手伝うこともできて、そのあと祖父母の墓参りをして、電車で東京に向かっています(名古屋までの電車の中でこれを書いています)。

東京は、明日午前中にNHKの収録があるためで、その前後に3件約束を入れていて、せわしなく働いてから名古屋に戻る予定です。収録するのは、

1月30日(金)2320分~2330分にNHK総合テレビで放送予定の

「見どころNHK」

です。もちろん、「出社が楽しい経済学」の紹介をしていただくために出演することになっています。

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2009年1月26日 (月)

吉本流プレゼンテーションの秘訣(……大したものではありませんが)

先週は、講演やセミナーと呼ばれるものを3つもやって、結構大変でしたが、それぞれ、自己評価よりも高い評価を聴衆からしてもらったように感じました。じつは、これもよくある感覚で、完璧に話せたと思っているとき(滅多にないのですが)より、「あぁ、もうちょっとうまくやらなきゃダメだったなぁ」と思っているときのほうが、評価が高いことがあります。

結局、しゃべりたいけどしゃべれなかった内容がいくつかあるほうが、聴いている側も「もう少し聴きたかったなぁ」と思ってくれる。それが、いい講演かどうかは別にして、聴衆の満足度を高めるには、じつは不完全な講演のほうがいいように思えてしまいます。

ただ、ヘソ曲がりの吉本佳生は、意図してそういった講演をして受けようとするのはイヤで、だからかもしれませんが、1時間から2時間ぐらいの長さでおこなう講演には、いまでも苦手意識が消えません。

それでも、吉本佳生の講演は結構おもしろいと思ってくれる人がいます。

なお、パワーポイントはできるだけ使わないようにしていますし、パワーポイントの機能を駆使した講演は、この数年やっていません。でも、パワーポイントを使った講演や講義や学会発表などで、私より上手にこのソフトを使っている人をみたことがありません。この点については、私が本気でパワーポイントを使っている姿をみたことがある人に否定された経験がありません……あまり使わないソフトなんだから、まったく自慢になりませんがね。

それで、パワーポイントの秘訣ではなく、パワーポイントとは関係なく、上手にプレゼンテーション(講演・発表など)をする秘訣だと私が信じていることを書きます。プレゼン方法を教えるゼミは、大学で2年生を相手に教えたときに一番人気があったものですから、本当は企業秘密だったのですが、大学教員を辞めますから、ここに書いちゃいます。

まず、プレゼンテーションなどで「他人を説得」したいときには、大きく分けて2つの方法があります。

(1)感情に訴える

(2)論理で納得させる

の2つです。実際には、この両方を混ぜて使う人が多いのですが、ここでは、(2)の「論理」での説得方法を考えましょう(私は「感情」での説得方法を教えるにはまったく向いていません)。

ちなみに、「感情」での説得の代表格は、「泣き落とし」と「脅し」ですが、「脅し」が脅しとしてきちんと機能するには、多少の論理性が必要です。たとえば、「Aをしないと殺すぞ」と言われたときに、「Aをすれば殺されずにすむ」と解釈していいかどうか、論理の問題としては、まちがう人も多そうです。

さて、「論理」での説得の秘訣に戻りましょう。

ここまでもったいぶった感じになりましたが、秘訣というほどのものではありません。私は、いいプレゼンをするために必要なことは、つぎの3つだと思います。

(a)観察

(b)論理

(c)親切

の3つです。実際に、私が講演などをするときに、強く意識するのはこの3つです。3つだけと断言してもいいでしょう。

まず、題材となる世の中の現象や、目の前にいる相手や、講演会などを企画してくれた人をよく観察しないと、他人に満足感を与える話はできません。これは基本中の基本ですよね。

わかりやすくするために、極端な例を挙げると、タイガースファンの前でタイガースの悪口を言いまくって、聴衆が怒っていそうなのに、それを続けてしまうと、とんでもないことになるといった話です。逆に、相手が、とにかく自分の会社をほめてもらいたい人ばかりがいれば、自然な感じでほめまくればいいのですから、簡単ですよね。

だから、「観察」はプレゼンで成功するための大前提です。そして、観察の力を磨くには、観察の習慣を身につければいい。要するに、意識の問題です。「観察が大切」という意識を忘れなければ、大丈夫です。

つぎは「論理」。これは当然のもの。論理的に説得するという話をしているのですから、クルマのエンジンのようなものです。論理力の習得には、時間がかかりますが、時間をかけるだけの価値もあります。

最後は、「親切」。これは、誰にでもできます。親切を強く意識して、十分な時間をかければできます。だから、学生にゼミでプレゼン方法を教えていたときには、とにかく親切の姿勢でプレゼンを改善する方法を、徹底して教えました。

「まちがいはないか?」とか、「わかりにくくないか?」とか、「図の説明は誤解しやすくなっていないか?」といった観点で、何度も原稿や資料を読み直し、少しずつでも改善しないかと考えて、何度でも修正をする。それを、本当に何度でもやる。そうすれば、少なくとも、誤字脱字は減ります。本気で親切心をもって、繰り返し修正を加えれば、少しずつでも確実に改善します。しかも、改善点をみつける能力がどんどん高くなりますから、学習効果も大きい。

結局のところ、いい講演、いい説明、いいプレゼンは、「観察+論理+親切」さえあれば、誰でもできるというのが私の持論です。

たまにはNHKネタでないものをと思いましたが、いかがでしたか?

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2009年1月25日 (日)

「出社が楽しい経済学」はこれから3回がさらにおもしろい

とにかくこの1週間の疲れがあって、昨夜は次回予告をきちんと書けませんでした。書きながら寝かけていましたので。

じつは、つぎの第4回から第6回までは、独立した内容ではありますが、少しずつつながりがある内容になっています。そして、第6回(キーワードは逆選択)こそが、全12回で一番おもしろいというのが、制作スタッフの感想のようです。

実際に、全12回の番組がほとんど完成していた昨年12月下旬に開かれた番組の忘年会では、1回ぶんだけ、完成した番組をみんなで観たのですが、それが第6回でした。

その一番のおすすめの第6回をさらに楽しむには、その前に第4回と第5回を観ていただきたい(本当は10倍楽しめるとか書きたいのですが、胡散臭くなるので……)。ということで、ここから3回が、野球の打線ならクリーンナップ、カラオケならサビの部分です。

第7回もかなりおもしろいし(当初は第1回に置こうとしていた内容ですから)、第8回と第9回も内容的にはぜひ学んでほしい内容で、十分におもしろいし、第10回も……と、まあどれもそれぞれによくできていますが、やはり第6回は、ぜひ観てほしい。

そして、繰り返しますが、第6回を楽しむには第4回と第5回も観ておくべきで……話がくどいようですが、要するに、次回以降もよろしくお願いいたします。

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「出社が楽しい経済学」の放送『第3回 比較優位』監修者の言い訳

番組の本でも、担当ディレクターが裏話として紹介している話ですが、私経済学部の大学生に繰り返し言っていることのひとつは、

「せめて、『比較優位』と『実質金利』の2つの考え方だけは覚えて卒業すると、きっと役に立つことがあると思うよ」というもの。

また、私が学部生だったときのゼミの先生は、結婚式の仲人や主賓としてスピーチするときには、いつも比較優位の話をしているとおっしゃっていた。

「夫婦の能力を比べると、夫のほうが、仕事もよくできるうえに、料理などの家事も上手だとして、それでも、家事は妻に任せて(夫は口を出さず)、そのぶんだけ夫には仕事に専念してもらうほうが、夫婦ともに幸せ(豊か)になれる」といったスピーチをしていたらしい。

もっとも、最近は、「何をやっても、奥さんのほうが能力が高いとしても……」という話から始めるほうが、しっくりくるケースが多そうですが(さて、他ならぬ我が家は……?)。

比較優位は、現代の私たちがこれほどまで物質的に豊かな生活が送れるのはなぜかを説明する基本原理です。しかし、その考え方を始めて聞く人の中には、意外な結論に納得できず、何かトンデモないまちがいをふくんだ話だと決めつける人もいます。自分にすごく自信があって、周囲のたいていの人を見下し、「こいつらに何か頼むぐらいなら、全部自分でやるほうが効率的だ」と信じている人たちです。

そういった人をみると、私は「比較優位の考え方を信じたほうが、ずっと幸せになれるのになあ」と、いつも思ってしまいます。「どんな相手とでも、お互いのためになる分業方法はきっとある」という比較優位の結論を信じることができれば、きっと、すごく気楽になれます。

さて、今回の比較優位は、全12回の中で一番苦労が多かったテーマではないかと思います。視聴者が「意外にむずかしい」と考えてしまいそうな概念でした。

次回は『インセンティブ』です。お楽しみに。

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2009年1月22日 (木)

『出社が楽しい経済学』のコミック版について(追加情報)

今週月曜(1月19日)の夕方、一橋大学の学生たちに招かれて、講演をしてきました。講演というより、拙著『スタバではグランデを買え!』と『クルマは家電量販店で買え!』の中からいくつかの題材を拾って、日常生活の中で経済学的なセンスをいかに磨くかという、1回限りの講義をしたという感じでした。

結果としてこれが、大学教員としての私が大学でおこなう最後の講義となりました(とりあえずの話ですが)。勤務先大学は学生の質の低下が著しく、今年に入ってからの講義では、講義の妨害をするバカな学生を追い出す際に不愉快な思いをすることが続きましたので、久しぶりにきちんとした学生を前に講義をすることができて、楽しく感じました。

半分ぐらいの学生が拙著を読んでくれていて、とてもうれしかったのですが、読んでいる人とそうでない人が半々の聴衆に話をするのは、とてもむずかしい。そこで、読んでいない人を前提に話をしつつ、本に書いていないことを補足するというやり方にしました。

この講演会を、先週金曜日にNHKで打ち合わせをした宝島社の女性編集者も聴きに来てくれて、講演終了後、一橋大学近くの喫茶店で打ち合わせをしました。そう、コミック版は「宝島社」から出版の予定なんです。

それで、私に対して「うちの出版社に持って来いよ」と感じられた編集者が、きっと数人いらっしゃると思いますが、今回の出版社の選択は、NHK出版の推薦を受けてのもので、私が決めたのではありません。どうぞお許しください。

と、ずっとお待ちいただいている編集者のみなさまへの言い訳から始めて、本当に申し訳ありません。とはいえ、この言い訳を書いておきたくて、まったく時間に余裕がない中で、今回のブログを書いているというのが本音です。

さて本題(?)。

すでにNHK出版から出ている番組の公式ガイドブック(番組テキスト)の『出社が楽しい経済学』と、コミック版のちがいをご説明いたします。

番組のドラマ部分を再現したのがコミック版で、解説も入ります。ただし、解説は番組での解説の一部を抜粋したもので、すべての解説は再現されません。たとえば、私が話をしている部分はほとんど入れていません。

ドラマの内容がわかるために必要な解説だけを入れているといった感じです。

そして、すでに発売されている本のほうには、ドラマそのものは入っておらず、番組では説明していない内容もかなり入っています。番組の前に予習をしたり、番組のあとに復習や少し発展的な勉強をするための本として書きました(私だけで書いたわけではありませんが)。

番組を観て勉強しようという人には、やはりこちらの本のほうを読んでいただきたい。

コミック版は、番組を見逃した人に、番組の中心部分だったドラマを再現してお伝えしたいという感じでしょうか。もちろん、番組を観ておもしろいと感じた方が、コミック版を読むと、少しちがったかたちで同じ内容をくり返し学べますから、知識が定着しやすいと思います。

私たちは、これらの本が手元になくても、番組だけで十分におもしろいと感じてもらえるように、番組の構成などを考える際に努力してきたつもりですので、正直なところ、本を買っていただく必要はそれほどない(こんなことを書くと怒られそうですが)。

ただ、3ヵ月で計12回、しかも土曜深夜放送の番組をきちんと12回観て、その都度、内容をきちんと理解するのは、現実には大変なことだと思われますので、2種類の本でそれを補完できるようにしている……これが、私の中での2種類の本の位置づけで、そのうえで、2種類の本もお互いに補完するような内容になるよう、意識して監修・執筆をしています。

さて、ここからは大学などで経済学を教えている方へのアピールを。

ドラマ部分にも、解説部分にも、専門家からみて「そこはチョットちがうんじゃないの?」と「突っ込み」を入れたくなるところがいくつもあるはずです。「この話をするのなら、もう少し先の解説もしてくれればいいのに」と思われるところもたくさんあるはずです。

そして、この番組は計12回です。

ということで、教養科目や入門科目として、半期の講義(通常は90分講義を計14回)で経済学を教えるための教材としていかがでしょうか?

最初に30分、この番組を流してから、残り1時間で関連する内容の講義をするといった感じで、十分使えるはずだと思うのですが……

なぜ、こんなアピールをするのかというと、書籍化もコミック化も現実になったことで、つぎに望むのは「DVD化」だからです。

ちなみに、番組制作が進んでいる段階で、NHKのNディレクターが一番望んでいたのは「コミック化」だったと思います。一方、当初から私が一番望んでいるのは「DVD化」です。

番組のDVDが出れば、大学の入門レベルの講義や、高校・中学校での経済教育に活用してもらえる可能性がある。その意味では、「NHK教育テレビ」というのは最高のブランドだ(総合テレビよりもいい)。DVD化は確実な話ではないだろうが、その可能性があるのなら、番組の制作をお手伝いすることにしよう。

以上が、この番組への協力を求められたときにNディレクターにも申し上げたことで、私がこの番組の制作に参加することにした一番の動機です。

ということで、DVDが出れば、教育に使いたいとお思いの方がいらっしゃいましたら、番組ホームページのトップページの下のほうに「ご意見・ご感想は、こちらからどうぞ」というところがありますので、ぜひ、DVD化を望む声をNHKにお届けください。

この件は、私のブログにコメントを書き込んでいただいても、私宛にメールをお送りいただいても、効果はありませんので、ぜひぜひNHKに直接お届けください。

また、DVD化に際して、追加してほしいコンテンツ(特典)などがありましたら、ぜひ、そのあたりのご要望もお書きください。実際には、なかなか実現しないと思いますが、少なくとも私は、どんなご要望も真剣に検討することをお約束します(私にはほとんど権限がありませんが)。

あ~。本当に本当に、DVD化が実現してほしいなあ……ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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2009年1月17日 (土)

「出社が楽しい経済学」の放送『第2回 機会費用』監修者の言い訳

現在、仕事がうまく消化できず混乱しているうえに、水曜の夜にパソコンが完全に壊れて(たぶん正しくは、私が乱暴に扱って壊して)、かなりひどい状況になっていますが、とにかく、番組放送後なので、ブログを更新します。そう書きながら、長々と書いちゃうんですが……

まずは、番組に関係する最新情報のお知らせから。

先週、「事情があって、編集段階の番組をDVDでもらい、それを観て作業」と書きましたが、これはコミック版作成のための作業でした。そう、「出社が楽しい経済学」のドラマ部分が『マンガ』になるのです。それで、ドラマの中で居相田係長がやっているという設定の経済解説(CGなどでの説明もふくみます)を、私がコミック版の原稿にするという作業をしていたのです。

3月中旬、番組の放送がまだ何回か残っているうちにコミック版が出版される予定です。出版社などの情報は、また今度書きます。

出版社側は、とてもきついスケジュールでの作業になりますので、複数の漫画家に作画を依頼しています。そのため、キャラクター設定用の主要登場人物の絵がすでに描かれていて、それを昨日(16日)、NHKでみせてもらいました。その日は、第12回、つまり最終回の解説部分のチェックと、テレビ情報誌「NHKウイークリー ステラ」のインタビューの仕事があって、東京・渋谷のNHKにいたので、空き時間に編集者にもNHKに来ていただき、コミック版の打ち合わせをしたのでした。

「ステラ」には写真も掲載されるそうで、1月23日号の表紙の妻夫木聡さん(今年の大河ドラマの主役)の写真も撮影したというカメラマンが、私の写真も撮影してくれました。目玉焼きだけを料理するのに、有名シェフを呼んでいるような感じで、恐縮しました。

コミック版の話に戻りますが、キャラクター設定用の絵がめちゃくちゃに格好いい! 特に下野さんの絵が絶品でした。コミック版はかなり期待できそうです。

さて、今回の「機会費用」はいかがでしたか?

先週も書いたように、担当ディレクターの手腕が冴えているという点では、全12回でピカイチだと、監修者として断言します。それほど、機会費用という概念は説明がむずかしい。でも、経済学のエッセンスの理解には、絶対に必要なのです。

それで、もともとのお題のむずかしさを考えると、今回はすごくよくできているというのが、専門家としての私の評価です。試写をみたときに、本当に感心しました。

なお、担当ディレクターの名前が、ドラマのあるところに出てきます。ちょっと気がつきにくい場所ですが、私はすぐに気がつきました(ディレクターの名前を知っているのだから、自慢するほどのことではありませんが)。

それから、この「機会費用」の回で、バスかタクシーかの話をきちんと理解するためには、前回のキーワードだった「サンクコスト」を理解している必要があります。小山内君がバスを選んだ場合には、小山内君が1時間を無駄にすごすことになり、「会社が小山内君に支払っている1時間ぶんの給料も無駄になる」といった指摘を、郷田先輩がしていました。

でも、番組の解説のところでは、小山内君の給料の話は無視していました。なぜか?

機会費用の概念に忠実に考えれば、この給料の話を無視するのは自然のことなので、理由の説明がなくてもかまわない。ただし、ここで補足して説明しましょう。

正社員の小山内君に対しては、会社はその時間に対する給料を支払うことがすでに決まっています。だから、小山内君がバスを選んでもタクシーを選んでも、1時間ぶんの給料の回収はできないので、会社にとってはサンクコストであり、バスかタクシーかの選択(会社側がタクシーの選択を認めて経費として支払うかどうかの話)では、それを忘れて考えるべきなのです。

サンクコストは、そのあとの選択に関係なく犠牲になっていますから、「何かを選択をしたことで犠牲になった」というものではなく、だから機会費用にはふくまれないということです。

また、後半のドラマで紹介している「居酒屋の激安ランチ」の話は、標準的な経済学のテキストや入門書であれば、「限界費用」の考え方で説明する内容です。拙著『クルマは家電量販店で買え!』をお読みいただいた方は、たぶん気がついたでしょうが、拙著では「レストランのランチ」の話として出てきています。

じつは、番組のドラマ台本は昨年7月の打ち合わせの時点で骨格を議論しました。その時点では、『クルマは家電量販店で買え!』の執筆は始めたばかりでしたから、まだ書く前の本のネタを番組のネタとして提供したわけです。

とはいえ、当初は「限界費用」で説明することを前提にしていましたので、それも「機会費用」で説明するというやり方に変えたのが、結果としてうまくいった感じです。

ちなみに、本(番組テキスト)のほうでは、先に居酒屋の激安ランチを機会費用で説明し、あとの「吉本のワンポイント経済学」で似た例を取り上げて、それを限界費用で説明するという二段構えにしてあります。

とにかく、この番組の、1回につきひとつのキーワードという構成は、それぞれのキーワードを確実に記憶・定着させるという意味で、すごくよかったと思います。

次回は『比較優位』。

重要だけど、慣れないと理解しにくい概念が続きます。表が説明のポイントになりますから、その部分だけは集中力をもってみてください。

また、今回の「機会費用」の考え方が前提になりますので、1週間後までよく覚えておいてください。

よろしくお願いします。

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2009年1月11日 (日)

「出社が楽しい経済学」の放送『第1回 サンクコスト』監修者の言い訳

ついに放送開始です。初回の放送までの1週間ぐらいは、かなり緊張しました。

事情があって、編集段階の番組をDVDでもらい、それを観て作業をしていて、月曜か火曜に、内容とは関係ない細かな誤りに気がつきました。それは修正してもらったのですが、「いろいろまちがいが残っているのでは?」との不安が生じて……

まあ、第1回はもう放送されちゃいましたから、修正できないと思えば、開き直れます。

12回で、1回にひとつのキーワード。番組制作の最初の段階で、12個のキーワードを選びましたが、私もNHKの制作スタッフもかなり悩みました。

番組を観ていただくとわかりますが、1回に2つのドラマを入れていますから、最初は1回に2つのキーワード、主と副のキーワードを用意するという考え方もありました。

最終的に12個のキーワードが決まったとき、順番は、第1回が「価格差別」と決めていたのですが、ドラマの台本などができてきたところで、とにかく初回に一番おもしろい話を持ってくるということになったようで、「サンクコスト」から始まることになりました。

ただし、実際にドラマを収録したあとでの評価では、もっとおもしろくできていると制作スタッフが思っている回があります。それがどれかは、まだ秘密です。

最初の段階では、「サンクコスト」の話をきちんと説明するには、コスト(費用)について、固定費用と変動費用を分けるなどの説明もすべきだという話がありました。当初は、もっとずっとむずかしい内容も入れようとしていたわけです。

結局、すごく基本的なことに絞って説明することになって、それがうまくいっているという印象です。SETの実力派俳優・女優のみなさんの演技が光っていますよね。

完成版は始めてみましたが、試写版とのちがいがいろいろあっておもしろかったです。

後半のドラマで、シークレットシューズの開発を回想するシーンは、明らかに「プロジェクトX」を意識していて、試写版では、中島みゆきさんのあの曲がBGMで流れていました。「そこまでやっていいのか?」と思っていましたが、さすがに曲を変えたようです。

私が話をしている部分は、もっと長い分数を話していたのですが、編集で一部カットされています。本人からすれば、もっと削ってもらってもいいのですが、それなら最初から短い収録で済ませてほしかった。

また、小さなかわいい子供が出てくるシーンがありましたが、担当ディレクターのお子さんとのこと。子供はサンクコストにとらわれないという内容でしたが、確かに、うちの子供をみていても、過去の出費や労力がムダになってもまったく気にしない様子です。

ちなみに、ドラマに出てきたシークレットシューズとシークレットかつらですが、NHKのスタッフルームで現物をみました。シューズのほうは、けっこう軽かったので驚きました。

さて、番組テキストは、通常のNHKの番組テキストとは異なる形で出版されています。完全に独立した単行本として出版していて、それがなくても番組は観ることができるし、番組を観なくて本だけ読んでもいい。そういったコンセプトでつくりました。

ふつうなら、番組テキストを単行本化することがあっても、それは放送終了からしばらくしてなのですが、今回は、最初から単行本で、なおかつ、番組放送開始に合わせて出版しました。

事前に、12月下旬発売の情報が出ていましたが、事情を説明すると、もともと、私とNHKスタッフとNHK出版とが夏に打ち合わせをして、1月の番組第1回放送日の直後に出版することに決めて、作業にかかりました。再放送もありますから、第1回の放送後に本が出て、それを読んだ人が第1回を観ようと思ったとして、再放送には間に合う可能性があるということでした。

だから、当初は、第1回の放送前に本が出る予定ではなかった。それなのに、NHK出版が勝手に予定を変更して、12月出版にしたので、大変だったわけです。しかも、NHK出版が編集作業を依頼した相手にはその前倒しの予定をこなす技能がなかったため、ぎりぎりのスケジュールの中で、本来は私やNHKスタッフの担当ではない作業も、ほとんど私たちがやり直すことになった。

それで、こちらは12月出版に間に合うように作業したのですが、NHK出版や編集作業をしている人たちの不手際がさらに続いたため、初回放送日の110日に合わせて出版となりました。

NHK出版の自作自演と言っていいドタバタで、12月に前倒ししたあと、1月に戻ったという、何とも人騒がせな話で、あまりにお粗末な仕事しかできない人たちに振り回された私は、ただ疲れただけでした。

もし、番組の続編(第2シリーズ)の制作があって、そのときも私が専門家として手伝う場合には、テキストの原稿はもっと早く用意して、別のやり方で出版できるよう交渉したいと思っています。

次回は『機会費用』。

当初は「限界費用」と「機会費用」の2つを説明するつもりでしたが、限界費用はやはりむずかしいので、限界費用の重要性がわかる話も機会費用の概念を使って説明しています。

地味なキーワードの回ですが、重要だけど説明しにくいとされている機会費用の話を、すごくうまく説明していて、試写のときにとても感心した記憶があります。予想以上の仕上がりで、私の印象では、担当ディレクターの手腕が最も際だっている回です。

なお、第1回を見逃した人、もう一度みたい人は、第1回だけはNHK総合テレビでの再放送がありますので、ぜひご覧ください。

総合テレビでの再放送:2009年1月16日(金)24:1024:45

教育テレビでの再放送:2009年1月14日(水)24:4525:17

もちろん、第2回以降もよろしくお願いします。

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2009年1月 6日 (火)

「出社が楽しい経済学」のホームページが開設されました

今年もよろしくお願いいたします。……と書きながら、昨年やり終えていなかった仕事に追われています。ご迷惑をおかけしている方々にお詫びいたします。このブログにいただいたコメントに対してもきちんと対応できていないし……

ということで、改めて、私の現況に合ったご挨拶を。

たぶん、今年もいろいろとご迷惑をおかけすると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

それで、いつものNHKネタで申し訳ありませんが、とりあえず番組放送が終わるまでは、できるだけ宣伝したいので、お許しください。(年明けから謝ってばかりですみません……)

NHK教育テレビで本年1月10日23時放送開始の『出社が楽しい経済学』の番組ホームページが開設されました。

http://www.nhk.or.jp/shussya/

ぜひご覧ください。

とりあえずこの告知だけして、残務処理に戻ります。つぎのブログ更新は、番組の第1回放送後に、その内容に関連した話(あるいは番組裏話など)を書くつもりです。

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