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« 続・MRIインターナショナルのMARS投資について 2007年に私が投資詐欺だと断定した理由 | トップページ | 某テレビ局はなぜ、無理して撮影した、MRIインターナショナルのMARS投資に関する私のインタビューを流さなかったのか? ひとつの見方 »

2013年4月28日 (日)

MRIインターナショナルのMARS投資は投資詐欺であり、被害が膨らんだのは一部の新聞社と日本政府が原因

4月26日は「MRIインターナショナルのMARS投資」についてブログに書いたために、いろいろな取材依頼が来て、とにかくたいへんでした。
私は広島市内に住んでいる子供を開催中の「ひろしま菓子博2013」に連れて行くなどの連休中の約束がたくさんあったので、25日の夜から広島の家に戻っていました(もともと単身赴任状態です)。
それが、急遽、26日に全国ネットのテレビの取材依頼が来て、系列の広島市内に本社があるテレビ局に、インタビュー撮影に行ったりして、そのあと、ひろしま菓子博に行ったら、当日券が売り切れていて(しかし、近くで前売り券は販売されているという、お役所仕事的なメチャクチャぶりで)、結局、27日に「名探偵コナンの映画」と「ひろしま菓子博」と子供が大好きな「回転寿司(かつて拙著『スタバではグランデを買え!』で取り上げたお店が別の場所に移転したもの)」に子供を連れて行き、28日(今日)は「タケノコ掘り」に家族で行きました。
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明日も子供の遊びにつき合う予定が入っており、単身赴任状態であるためにこうした連休には家族でいろいろ予定が入る父親にとって、MRIインターナショナルのMARS投資に関連した取材対応はとてもたいへんでした。
とはいえ、金融庁の発表と新聞報道などに強い違和感がありますので、改めて、MRIインターナショナルの詐欺事件のポイントを解説しておきます。……金融庁とマスメディアは、もともとはまともな運用をしていたのが、最近、巨額損失になったというストーリーの可能性を捨て切れておらず、むしろ、そのストーリーをメインに説明しているようです。
そんなはずはありません。最初から投資詐欺を狙ったものとみるべき理由については、「続・MRIインターナショナルのMARS投資について 2007年に私が投資詐欺だと断定した理由」ですでに指摘していました。しかし、もう何年も前から投資詐欺とわかるものだったと認めると、金融庁の責任が重くなります。また、広告を載せていた新聞社の責任も重くなります。だから、これほどの巨額被害が出た事件なのに、自分たちの保身のために、専門家からみれば違和感がある報道がなされています。
そこで今回は、「週刊ダイヤモンド」がMRIインターナショナルのMARS投資が投資詐欺ではないかと指摘する数ヵ月前に、「経済セミナー」という雑誌に私が載せた原稿の一部を引用します。
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 他に、金融取引に関係する犯罪として、キャッシュ・カードやクレジット・カードの偽造、株式市場などでの不正な取引(インサイダー取引や不正な株価つり上げなど)といったものもあります。2006年の1年間に大きな話題になった金融犯罪だけをみても、ライブドア事件、村上ファンド事件、日銀総裁の不正資産運用疑惑、未公開株詐欺、海外先物オプション取引による被害、近未来通信事件など、たくさんの金融犯罪が続々と発生していることがわかります。この中でも、ライブドア・村上ファンド・日銀総裁の問題は、金融市場での不正な取引に関するものですが、残りのものは投資詐欺に分類されるものです。とても残念なことですが、投資詐欺は、同じような事件があきれるほど何度も繰り返し発生し、被害金額も小さくなりません。巻き込まれる人たちが後を絶たないのですが、それは被害に遭う消費者側にも一定の問題があるからです。
 たとえば、2006年の終わりにかけて問題が大きく報じられるようになった、近未来通信の事件を考えてみましょう。同社は、有名な女優やスポーツ選手を起用した派手な新聞広告やテレビCMで大規模な宣伝をおこない、女子プロゴルフの大会スポンサーになるなどして、知名度を高めた上で、各地で説明会を開催して、インターネットを利用したIP電話事業への出資者を募りました。出資者は何もしなくても高配当が得られると約束して投資を勧誘し、約900人の一般投資家から約200億円を集めたとされます。実態として、出資金の大部分はIP電話事業に回されておらず、投資詐欺の色彩が強かったと考えられます(詳細は今後明らかにされていくでしょう)。
 近未来通信事件の背景には、深刻な問題がいくつも存在しています。そもそも、近未来通信の出資金募集が怪しいことは、問題が表面化する前から多くの有識者が認識・警告していました。なぜなら、約1年前に、平成電電事件 が起きており、そこでも通信事業を隠れ蓑に、有名俳優を起用したテレビCMと出資金募集の新聞広告を大量に流して、実態としては投資詐欺に近いことをしていたからです。平成電電の場合にも、問題発覚前から経済誌などで疑惑が指摘されていましたが、その平成電電の問題が表面化した2005年秋の時点で、こういった問題について少しでも知識のある人たちは「近未来通信も同じような問題を抱えているはずだ」と考えました。それなのに、近未来通信の新聞広告やテレビCMは大量に続けられ、監督官庁も見て見ぬ振りをしましたので、いたずらに被害が拡大しました。
 ちょっと前に多数の被害者を出したとして大々的に報じられた投資詐欺と、ほぼ同じパターンの投資詐欺に引っかかる消費者側にも、確かに問題はあります。また、マスメディアの影響力は非常に大きいため、怪しい出資金募集の公告を掲載し続けた新聞社や、その広告を作成した広告代理店、広告塔となったタレント・スポーツ選手やその所属事務所の責任を問う声もあります。しかし、過去のこういった投資詐欺事件を振り返ると、マスメディアや広告塔のタレントなどの損害賠償責任を追求することは、極めてむずかしいようです。(投資詐欺事件で被害者側の弁護をする経験を多く持つ弁護士から、「損害賠償でなく、利益還元を求める仕組みにするべきだ」との意見を聞いたことがあります。被害への荷担を問うことはむずかしいので、損害賠償は請求しにくいとしても、せめて投資詐欺をおこなった会社との取引によって得た利益だけでも、被害者に返還してほしいということです。こういった考え方が認められるようにならない限り、マスメディアやタレントの側には、投資詐欺が疑われる会社との取引を避けようというインセンティブが働きません。だから現在の日本では、有名人を起用した新聞広告・テレビCMがたくさん流れていても、プロスポーツの大会を主催しているとしても、その会社を信じる材料にはならないと覚えておくべきです。)
 つまり、新聞やテレビで宣伝していても、有名人が推薦していても、彼らは責任を取らないのですから、信用してはいけないことになります。日本では、こういった点での金融教育が大変に不足していることも問題です。また、平成電電や近未来通信の事件では、通信事業を監督する総務省の対応が遅れたことが、被害を大きくしました。こういった投資詐欺に遭った人たちが被害救済を訴えても、裁判などでは「安易に儲けようとした方も悪い」とみられてしまいがちです。つまり、投資詐欺を防いだり、被害を救済してもらう上では、日本の政府(行政や司法)は頼りにならないと考えておくべきなのです。(ただし、各地の消費生活センターや国民生活センターなどは、投資詐欺などの消費者被害を防ぐために大変有意義な活動をおこなっています。消費者被害を救済する立場で活躍されている弁護士もたくさんいます。それでも、日本の行政・司法全体としてみると、この問題では頼りにならないものだと思っておく方が、消費者としては無難です。)
 毎年、何らかの投資詐欺の被害者がたくさん出る一方で、そういった犯罪には絶対に引っかからないと思われる人も多数います。「簡単におカネが増やせるという話は、怪しいに決まっている」と考えている人は、投資詐欺には引っかからないからです。そこで、過去の投資詐欺の事例をいくつか振り返ることで、簡単に儲かる話が存在しないことを確認してみましょう。
 20年以上前の犯罪でありながら、今も多くの人々の記憶に残るだけでなく、現在の投資詐欺にも大きな影響を与えているのが、豊田商事事件です。トヨタ自動車を連想させて信用を得ようと名付けられた会社(もちろん、トヨタ自動車とは無関係)ですが、犯罪マニュアルを用意して社員を教育するなど、たいへん狡猾な犯罪者集団でした。豊田商事は1981年から営業を開始し(1981年の会社名は大阪豊田商事で、1982年に豊田商事に社名変更し)、独り暮らしや夫婦二人暮らしの高齢者をターゲットに、年15%の収益を保証して、金(きん)の投資話を持ちかけました。豊田商事はカネと引き替えに金の現物を渡すのではなく、「純金ファミリー契約証券」なる紙切れを渡しました。金の預かり証であり、発行された純金ファミリー契約証券に見合うだけの金(現物)を豊田商事が買い、それを運用して収益を稼いでいるはずでした。これをペーパー商法(現物まがい商法)と呼びます。もちろん、最初から投資詐欺を目論んでいた豊田商事は、現物の金などほとんど買っておらず、高齢者などから集めたカネは社員が山分けしてしまいました。
 1985年に社会問題化した豊田商事事件の被害額は、約2000億円とも言われていますが、被害を隠す高齢者も多いため、本当の被害額は知られていません。豊田商事の残党(社員として投資詐欺のノウハウを学んだ人たち)は、その後も類似の犯罪を引き起こし、今でも投資詐欺をおこなっていると噂されています。特に、身寄りがいなくて孤独感を感じている高齢者や、身体や精神に障害を持つ高齢者に対して、最初は親切な態度で近づき、生活資金までもごっそり奪うという大変卑怯なやり方は、あとから続々と誕生した悪徳商法に引き継がれました。
 バブル崩壊後の1996年にはKKC(経済革命倶楽部)事件が、翌1997年にはオレンジ共済事件が表面化して、それぞれ関係者が逮捕されています。特にオレンジ共済組合は、当時現職の参議院議員であった友部達夫氏が国会議員の肩書きを利用して首謀した投資詐欺組織で、「オレンジスーパー定期」という、一見すると定期預金を想像させる金融商品などで資金を集めました。当時の一般的な定期預金金利の2倍以上、年6~7%の高金利を売り物に、約80億円の資金を集めて、家族で浪費したりしました(かなりの部分が他の政治家に流れたとも噂されています)。投資話においては、現職の国会議員でさえまったく信用できないことがわかります。
 2001年に破綻した大和都市管財の事件は、近年では最大規模の約1100億円もの被害金額となりました。大和都市管財は全国規模でゴルフ場やレジャー施設などを所有し、それを担保に高利回りの抵当証券などを発行し、やはり高齢者層を中心に資金を巻き上げました。この事件でも、豊田商事のやり方は継承されていました。親切そうに高齢者に近づき、まめに訪問し、盆暮れには贈り物をして、信頼を得た上で生活資金を奪うというやり方です。
 大和都市管財事件の裁判はまだおこなわれているところですが、被害者の弁護団は国家賠償訴訟も起こしています。この事件の被害が巨額になった理由のひとつに、近畿財務局が抵当証券業者としての登録を認めていたという事実があったからです。裁判結果は予想できませんが、事件の最中に行政が監督責任を十分に果たしていなかったのは明らかなように思われます。
 いずれの事件でも、集められた資金は派手に浪費されていますから、被害者に戻ってくるカネはとても少ないのが実情です。しかも、投資詐欺の被害者は精神的な苦痛も味わうことになります。犯罪被害者として同情されるのではなく、欲ボケによる報いとして非難されることが多いからです。またこのことが、被害を表面化しにくくしており、高齢者を狙う詐欺集団は、それを悪用しています。
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 この記事が指摘するような状況下でも、MRIインターナショナルのMARS投資は、当時(2007年前半)には、大手の新聞に広告を載せることができて、また、日本政府もそれからさらに6年間、みてみぬふりを続けました。だからこそ、この記事で紹介した投資詐欺事件の被害規模と比べても、相当に大きいといえる規模まで被害が膨らんでしまったのでした。この点については、前回の「続・MRIインターナショナルのMARS投資について 2007年に私が投資詐欺だと断定した理由」にきちんと書きました。そこに書いた論理は、当然、日本政府にもわかるはずの論理で、しかも、私は日本の政府機関にこの件での指摘をしていました。「週刊ダイヤモンド」も取り上げました。それにもかかわらず、広告を載せた新聞社や日本政府は、詐欺被害拡大に実質的に手を貸したといえます。
 ところで、当時、私が日本の政府機関などに「これもきっと投資詐欺でしょう」と情報提供したものがあります。私が話を伝えた相手(こうした被害に対処する政府機関の公務員)は、個人的には投資詐欺であるだろうと認めていました。また、上記に引用した原稿の後半で、私は日本の大手金融機関が扱う金融商品にもきわめて怪しいものがたくさんあると指摘しました。今回のMRIインターナショナルについてのニュースをみて、「私が投資している金融商品はMRIインターナショナルのMARS投資とは異なる」と信じている人も、本当にそういっていいのかをよく考えたほうがいいでしょう。

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