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2013年4月20日 (土)

成長戦略は必要か? 必要だとすると、なにをするべきか?

毎日のようにアベノミクス関連のニュースが流れ、アベノミクス関連の本がつぎつぎに出版されています。それで私も書いて出版してもらったわけですが、アベノミクスの3本の矢のうち、1本目の金融緩和と3本目の成長戦略が、いま話題になっています。

ここでは、成長戦略について、最新のニュースと拙著『日本の景気は賃金が決める』(講談社現代新書)での主張を関連づけてみたいと思います。
そもそも、「成長戦略」というと、ほとんど誰もが新しい産業や新しい商品・サービスのイノベーションが必要だと考えるようです。しかし、景気を考えるときには違和感があるというのが、私の基本的な立場です。
ふつうに、いまお客さんが少なくて困っているお店に、たくさんお客さんが来るようになれば、経済は成長します。いまは深刻な不況で、だから、需要が増えれば経済は成長する。これはマクロ経済学の基本にそった考えです。
問題は、どうやって需要を増やすか。これも基本にそって考えるべきで、第1に、賃金が上がることが大切です。しかし、賃金アップを消費増につなげてくれる人の賃金を上げるべきで、これがむずかしい。賃金が先か、消費が先かという話になるからです。
起爆剤が必要で、そこで成長戦略が求められるのですが、それなら、別に新しい産業や商品でなくてもいい。これが私の主張が他のアベノミクス関連本の著者たちと異なるところです。
ところが、いまある産業と商品への需要はなかなか増えない。だから不況なのでした。そこで、都市部に人を集めるべきで、そのためにはアベノミクスの3本の矢の1本目で増やしたマネーを都市部の不動産に回し、2本目で増やす公共事業を、都市部に集めてやればいい。これが成長戦略の役割を果たす。やはり、経済学の基本的な考え方にそった主張です。
新しい産業や新しい商品が、どーんと経済を成長させてくれるなら、それはすばらしい。しかし、どの企業もこれまで必死にイノベーションの努力をしてきたのでした。だから、政府がいろいろやったからといって、急に、新産業や新商品が経済成長を主導すると考えるのは、ちょっと甘すぎるというのが、私の意見です。
上記のニュースにあるように「女性の活躍を成長戦略の中核」に据えるのはいいことです。しかし、この場合も、なにか派手な活躍を求めるのではなく、地味に非正規雇用で働く女性の賃金が上がることを考えてほしい。なぜなら、女性労働者のなかでは非正規雇用者のほうが多いからです。新しいなにかに注目するよりも、いまの経済活動において多数を占めるなにかに注目してほしい。だから、女性労働者に注目するなら、非正規雇用者に注目してほしい。
こうした考え方に徹して書いたのが、拙著『日本の景気は賃金が決める』です。

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