日記・コラム・つぶやき

2009年8月 1日 (土)

値段がおかしい?

2週間前、家族で泊まったホテルで、朝、みやげを買おうとしていたら、小学校1年生(6歳)の息子が、
「これ、値段がおかしいよ」
と言ったのです。
パンダのぬいぐるみが2つ並んでいたのだが、少し小さいほうの「パンダ」の値札が「990円」で、隣に「パンダ(大)」とあるほうの値札が「980円」となっていました。機能はちがうのでしょうが、確かに、ぱっとみただけなら、「何で大きいほうが安いの?」と思いたくなる価格設定でした。
もちろん、息子は『スタバではグランデを買え!』を読んでいませんので、偶然なのですが、親が買い物をしているときの行動や会話から、何となく価格比較の感覚がみについたのかもしれません。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年7月31日 (金)

8月さえ乗り切れば……

昨夜の「見どころNHK」の収録前に、8月5日放送予定の「出社が楽しい経済学・特集」の完成版DVDをチェックして、番組宣伝に臨みました。完成版は、ますますおもしろかったです。
おなじみの「クイズ」が出てきますが、アイディアは私が出しています。結構いいクイズだという自信があります。経済学の本にときどき出てくるネタなのですが、状況設定を工夫しています。そのうえ、ナレーションが雰囲気たっぷりのものになっています。

いろいろな仕事が昨日(30日)で少し落ち着き、一瞬、区切りができたのが今日ですが、後回しにしまくった仕事(特にメールの返信)を今日中にすべて片づけられるかどうか、微妙です。このブログを書いて少し気分転換したら、またメール書きに復帰して、何とかがんばります。
8月は、正直なところ、かなりきついスケジュールです。しかし、子供と遊ぶ時間も取る必要がありますので、そちらのほうは家族旅行を予約してしまいました。そのため、旅行前に絶対に仕事を済ませておく必要があります……大丈夫だろうか?
家の片づけも全然進みません。ゴミ屋敷状態が続いています。
そこまで無理をして出版を急いだ『デリバティブ汚染』ですが、どれほど共感してもらえるか? もともとむずかしいとは思っていますが、読者が限定されやすい本ですので(本当は、みんなに関係がある問題ですが、そう思わない人が多いでしょうから)、さてどうでしょうか。
ひとつ言い訳しておくと、私は、無理に銀行などにケンカを売りたいわけではありません。自分が損な役回りをしていると思うこともあります。でも、金融機関の人たちは、このような私の説明をそのまま信じたりはしないでしょうね。
意図としては、『デリバティブ汚染』を読んでいいただきたいのは、消費者・投資家側の人たちなのですが、結果としては、金融機関側の人が読む可能性が高いとも思っています。そうなると、ネット上では、本を読んで私に対して少なからず悪意を持ってしまった人たち(金融機関側の人ならそうなるのが自然だと理解しています)がいろいろと発言するであろうことも、ある程度は覚悟しています。
そういう意味では、気分転換としてNHKの仕事は悪くないかもしれません。そっちはそっちで、別の意味で気が重いのですが、とにかく8月を乗り切ることがいまの目標です。
こんな私でもたくさん仕事があることに感謝して、がんばります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月15日 (水)

InDesignに悪戦苦闘……でも少しわかった感じがします

先ほど、部屋のエアコンから出る空気が急に生暖かくなって、エアコンが壊れたのかと心配したら、単純に、エアコンのリモコンの横に冷たいコーヒーが入ったコップを置いたのが悪かったようです。リモコンの周囲の空気だけが冷えたため、リモコンのセンサーが「部屋全体が冷えすぎている」と判断し、部屋を少し暖めようとしたわけです。

今年の1月からMacユーザーになって、MacBookAirで主に仕事をするようになりました。なぜMacユーザーになったかというと、一番使いたいソフトはAdobeの「InDesign」で、Mac用のフォントを使って、自分で組版までできるようになりたいのです。図表やイラストは自分で用意できるので、さらに組版までできれば、思ったような本作りがしやすくなります。
実際に、10年前には、自分で組版をした本を何冊か出版してもらったのですが、私がプリンターで印刷したものをそのまま印刷してもらった形で、非常に原始的なやり方でした。今度は、もっと本格的な組版を自力でやろうとしています。
InDesignは、私からみれば超高機能ソフトで、そこまで高機能なことをやりたいわけではないのですが、MacのInDesignは日本の出版業界の標準ソフトですから、どうせなら標準ソフトを使いたいわけです。自分で最後の最後までやる気なら、どのソフトを使ってもいいのですが、そうすると、自分がやる仕事がメチャクチャに増えてしまいます。「自分でもできるし、専門家に任せることもできる」という状況で仕事をするのが、私の理想とするところですから、標準的な仕事の仕方を覚えたうえで、大部分は専門家に任せて、自分がどうしてもやりたい(指示をしてやってもらうよりも、自分がやるほうが効率的な)部分だけは自分でやれるようにしたいのです。
時間に余裕もないなかで、慣れないソフトに悪戦苦闘していますが、少しずつ慣れてきました。……こうしてブログを書いているのは、何とか使いこなすことを「宣言」しようという意図ですが、過去にも、私が宣言して実現していないことは山ほどあります。「今度こそは!」となるかどうか……不安ですが、がんばります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月10日 (金)

哀しいことと嬉しいこと……前者は学生の就職活動の件、後者はいまはまだ秘密の件

昨日は、深くため息をつくしかないことと、思わずひとりでガッツポーズをしてしまったことが、同時にあった日でした。
いいことのほうは、いまはまだ報告できないのですが、「この1年間の苦労が報われた」と感じることでした。いずれ発表できるときを本当に楽しみにしています。
悪いことのほうは、この春大学4年生になった学生の就職活動の話です。すごく順調なゼミ生もいて、この経済状況であれば、かなりいい感じだと思います。
でも、私が15年間大学で教えてきて、ある意味で、1、2を争う優秀な学生だと感じた学生が、就職活動で苦しんでいる……男子学生だから、自分で何とかさせなければとは思っていますが、自分が会社の人事部長とか社長なら、絶対に逃したくないと思うほどいい学生だと思うので、かなりショックでした。
時間をかけてみてくれれば、絶対にいい評価を得られるはずの学生が、短い面接や、たかがエントリーシートで切られるような採用活動をしているから、日本の企業はどんどんダメになっているのだと痛感しました。
特に、その学生は、15年間教えてきた学生のなかで、まちがいなく一番、私の学生時代に似ている学生……この評価が本人にとって嬉しいかどうかは別ですが……だから、彼への企業の評価を、自分への評価のように感じる部分が少しはあるわけです(さすがに少しだけですが)。
何とかなってほしいと願っています。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年1月28日 (水)

生まれ故郷の赤羽不動殿で餅まき

何とか日程をやりくりして、昨日から生まれ故郷の三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区(旧名は紀伊長島町)にある赤羽不動殿のすぐ近くに住む叔母さんの家に泊まり、今日は年に一度の赤羽不動殿の餅まきに参加してきました。赤羽不動殿は、偶然にも、1週間前の朝日新聞(東海版)に天井を写した大きな写真が掲載されていたように、天井の絵が有名なのですが、私は子供のころ、ずっとそこの子供(赤羽不動殿がある大昌寺の住職の孫)として生活し、毎日いろいろな手伝いをして働き、人生に必要なすべての知恵を学びました。

昔は、餅まきなどの行事を年3~4回やっていたころがあり、大学生の4年間も、一度も欠かさずに行事を手伝いに行っていた記憶があります。小中学生のときも、すでに名古屋に住んでいましたが、夏休み・冬休み・春休みのほとんどすべての期間を赤羽不動殿ですごし、朝6時からの廊下の拭き掃除から始まって、とにかく修行をさせられました。

結局、私の仕事上の基礎能力は、ほとんどすべてそこで鍛えられたと言えます。読み書きや計算も、初歩の内容はすべて祖父母に教えてもらいました。

28日が「お不動さんの日」なのですが、4月から新しい生活が待っていますので、今年の1月28日にはお不動さんに行こうと決めていました。何とか実現し、たまたま、餅まきでは、餅をまく側を手伝うこともできて、そのあと祖父母の墓参りをして、電車で東京に向かっています(名古屋までの電車の中でこれを書いています)。

東京は、明日午前中にNHKの収録があるためで、その前後に3件約束を入れていて、せわしなく働いてから名古屋に戻る予定です。収録するのは、

1月30日(金)2320分~2330分にNHK総合テレビで放送予定の

「見どころNHK」

です。もちろん、「出社が楽しい経済学」の紹介をしていただくために出演することになっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月28日 (日)

今年を振り返る

ブログの更新がどんどん遅くなって申し訳ありません。

今年は、私のこれまで約44年の人生の中で、一番睡眠時間が少ない年だったことだけは確実で、その疲れが最後の12月に出ている感じでした。私は、本来、1日8~9時間は寝ないとダメなタイプなのですが、今年は、その半分近い日数で、4~5時間の睡眠しかとれなかったと思います。

25日から今日(28日)まで、家族でグアムに来ています。

昨年もほぼ同じ時期に来ていて、2年連続2回目。うちの子供はプール大好きなので、昼間のほとんどの時間を水の中ですごしています。さすがに疲れますが、明らかに、少し痩せました。100キロを切ったかも……といった程度の痩せ方ですが。

25日の朝から来る予定が、飛行機が飛ばずに、同日の夜に変更。でも、おかげで、夫婦ともに25日の朝までにやるべき仕事を昼すぎまでかけて終わらせてから、旅行に出ることができたので、まあいい方向に考えています。

それくらい、12月も余裕がない状況の連続でした。というか、もう少し余裕ができたはずですが、余裕がありそうになると、仕事の時間が延びる(余裕がないときには、仕事のスピードが上がる)のです……私の場合。先週も、一晩で終わらせるつもりだった仕事に、丸々2日間かけてしまいました。

それで結局、時間の余裕がなくなったのを何とかやりくりして、家族でグアムに来て、26日と27日はずっとプール。

うちの子供は、運動神経は平均より悪い。でも、私と妻が最低レベルの運動神経だから、その子供としては健闘しているほうだと思います。私は、徒競走などは、全部最下位でしたからね。

それで、うちの幼稚園・年長組の子供が、この2日で完全に泳げるようになりました。きちんと指導したわけではないので、まったくの我流で泳いでいますが、26日には、息継ぎをせずに5メートルほど泳げるようになり、27日には、息継ぎを覚えて、10メートルほど泳ぎました。ともに、うちの子供では足が立たないプールで泳ぎましたので、かなり驚き、感心しました。

自分の身長より深いプールで、つぎつぎにいろいろなことができるようになるのが楽しいらしい。それで、子供が勝手に、かなりきつそうなトレーニングをしているのをみていて、「人は、自分が好きなことなら自然に努力する」ことを痛感しました。

ということは、ほとんどの大学生は、よほど大学での勉強が嫌いなんでしょうね。子供が幼稚園に通うようになって、幼稚園の行事に行くようになると、幼稚園児と大学生をどうしても比較してしまうので、どんどん、大学生に何かを教えることがアホらしくなる。それも仕方がないことを、今回、改めて実感しました。

「大学ぐらい行っておかないと、大変なことになる」と脅し続けられて、別に大学に行く必要もない人間がやたらに大学に入る。大学なんて行かなくても、立派に働いて稼げるはずなのに……と本音では思っていても(しかも、それは正しいのに)、学歴社会という理不尽な現実があるから、根本のところでは大学の勉強が好きでない人間が、社会的な脅しに屈した形で大学に入る。

それを強く感じるようになったいまでは、来年3月末までに大学を辞めるという決断に後悔はありません(本音を言えば、1月末か2月末に辞められたら、もっとうれしいと思っています)。

私にとっては、いろいろなことがあった2008年ですが、印象に残っているのは、2007年に予想(心配)していたことが、いくつも現実になったこと。それらをすべて伝えてあった人に会うと、ついつい、「今年は予想が当たりすぎて、気持ち悪いぐらいです」とか何とか言いつつ、つい、予想的中を認めてもらおうとしてしまう。俗物すぎますね。

すみません。めったに当たらないので、こういった年ぐらいは、許してやってください。

第1に、AIGの経営破綻。200711月発売の拙著『金融商品にだまされるな!』に、実名は出しませんでしたが、少し予備知識があれば、明らかにわかるように書いたことでした。しかも、その予想を初めて話したのは、2007年の7月だったので、サブ・プライム・ローン問題が表面化する前でした。

第2に、円高。これは、国際金融の基礎知識がある人なら、誰でも予想していたことなので、あまり自慢できません(これも『金融商品にだまされるな!』にそのしくみを書きました)。

ただ、2007年の前半、まだ1ドル=120円前後の時期に、20083月までにまとめる調査報告のテーマを相談する会議で、「2008年に1ドル=120円のままである確率よりも、1ドル=100円を突破して、90円台になっている確率のほうがずっと高いし、80円台(89円とか88円とか)になっていても、私は驚きません」と発言し、大学院時代の恩師から「いくら何でも80円台はないと思うけど」と言われていましたので、実際に80円台に突入したときには、思わずガッツポーズをしてしまいました。

また、いつもいろいろと手伝ってもらっているCさん(某メガバンク勤務)から、1ドル=100円を突破して、96円になったときに、「96円になったから、ドル預金をしようと思うけど」との相談メールが来て、それに「予想はなかなか当たらないけど、もっと円高になる確率のほうが高いから、まだやめておくほうがいい」と返信していましたので、その点でも、面目が保たれました(返信の直後、92円まで行き、そのあと100円に近いところまで戻ったので、少しドキドキしていました)。

第3は、大学の巨額損失。これも、1年半前(2007年春)からずっと言い続けてきたことで、その際に「私が勤務している大学でも巨額損失が出るでしょう」とつけ加えて言うことも多かったので、ピッタリ当てたということになります。

もっとも、AIGと大学の件は、「予想していた」というよりは、「表面化してはいないけど、いろいろな状況から論理的に推理できることなので、知っていた」というのが、本当のところなので、予想が当たったというのは、たぶん言いすぎです。円高の予想的中は、先に述べたように、さほど大したことではないので、結局、3つともさほど自慢できるようなことではないですね。はい、よくわかっているのですよ、自分でも。

でも、そもそも世間を見渡してみると、「どんどん円安になるから、外貨運用をしましょう」とか、「株式投資信託を買って、おカネにも働いてもらうのがこれからの賢い生き方です」とか、言ったり書いたりしている経済評論家が、今年こんな状況になっていても、何の反省もせずに同じ主張をくり返していたりしている。一部のマスコミも、そういった人たちの過去のデタラメさは無視して、ゴミ情報の垂れ流しの共犯を続けたりする。

「経済の予想なんて、当たらないのが当然で、当たっても大したことはないし、当たらなくても仕方がない」ということでしょうね。それはそれで正しいのですが……情報の受け手としては、「純粋な予想」と「何らかの意図が背景にある予想」の区別が大切です。

今年当たった私の予想は、一応「純粋な予想」のつもりです。当たっても、私には何の利益もない予想でしたから。

他方、外貨建ての金融商品を売りつけたい(外貨建ての金融商品は利益率が高いので……)という意図や、株式投資信託を売りつけたいという意図があって、そういった機関に関係する人たちや、そこから情報を得ている人たちが発信する情報は、「何らかの意図が背景にある予想」。これに踊らされて、大損するのは、ただバカなだけですから、ご注意を!

あとは、年内に何とか、これまでいただいたコメントに対応したいと思いますが……

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月19日 (金)

小中学生の携帯電話規制の話ですが、規制しやすいところだけ規制するというやり方は勘弁してほしい

今朝のニュースを題材にしたいのですが、本論に入る前に、別の今日のネタを少し。

朝日新聞の朝刊トップ記事に、また、南山大学(南山学園)の巨額損失の話が出ていました。駒沢大学の話のついでですが、慶応大学も出ていないし、立正大学も出ていないのに、南山大学と愛知大学の名前が出ている。

マスコミ出身の先生が「ちょっと意地悪されている感じだけど、問題が表面化したときの新聞取材への応対が、よっぽど悪かったんだろうね」とのこと。うーん、事実はどうかはわかりませんが、それなりに納得。

それで、夕方、大学の教務課に期末試験の問題を提出しに行ったときのこと。エレベーターに乗ると、5060歳ぐらいの女性3人が一緒に乗ってきた。1階から乗って、その人たちは2階で降りたのですが、その短い間のエレベーター内での、その女性たちの会話。

「この建物新しいけど、何の建物?」

「知らないわ」

「私も知らない」

「いつも、来るたびに新しい建物が建ってるけど、大丈夫かしら。この間、巨額損失の話が出てたわよね」

「そうそう。投資なんかしてたのね」

「投資はするわよねぇ(ため息)」

その直後、エレベーターを降りて行きました。うーん。大学内で、しかも大学の関係者も一緒に乗っているとわかっているはずのエレベーターで、部外者に大きな声で心配されているようでは……

もうひとつ。15日に書いたことに補足。

学生の就職活動にかかる交通費については、今日、大学の就職委員会の委員長をされている先生に、ひとつお願いをしておきました。

まず、いまの4年生に協力してもらって、就職活動にいくらの交通費がかかったかの調査をすることを提案しました。これは最低限やってほしいのですが……

本当はさらに、東京や大阪に自費でひんぱんに行って就職活動をする学生を、金銭的に支援する制度をつくってほしい(これも一応、検討をお願いしましたが……)。

多くの大学がほとんど無意味な広報活動に巨額のおカネを投じていたりしますが、広報活動などにムダなおカネを遣うぐらいなら、学生の就職活動の支援ぐらいできるはず。しかも、学生が就職活動で東京や大阪の企業を回ることは、地方(田舎?)の大学の広報活動としてかなり有効でしょう。

交通費の一部を援助してもいいし、金融機関と組んで、就職活動の目的でローンを借りられるようにしたうえで、金利負担を大学が肩代わりして、しかも保証人としての役割を担う、といった方法もあるはず。

それで、そうした支援を受けた学生には、就職後、OB・OGとして学内のセミナーなどを手伝ってもらう(本当にいい学生なら、絶対に喜んで手伝ってくれるでしょう)。

こんな感じの制度を早く導入して、アピールすれば、マスコミが好意的に取り上げてくれて、最高の広報活動になる可能性も高い。

どうして、そういう簡単な話(疲れ果てて酒を飲みながらブログを書いている酔っぱらいでも思いつく程度の簡単な話)が、頭がすごくいいはずの先生方(ご立派な教授たちや理事たち)にわからないのか、とても不思議ですよね。

さて本題(本題のほうが短くなりそうですが……)。

今朝のニュースにありましたが、「小中学生が携帯電話を持つことを、原則として規制(禁止)する」という話が出ているようですね。

ナ、ナ、ナ、ナンセンス!

※これは2009年1月10日放送開始の『出社が楽しい経済学』のドラマに必ず出てくるセリフです。内輪ネタですみません。

携帯電話使用の問題は、たとえば、

1.授業中などのメール使用の問題

2.携帯電話サイトの有害サイトや学校裏サイトの問題

があると思います。

これらの問題を本気で解決するためにきちんと考えたうえで、一連の措置の中で、携帯電話の規制をするという話なら、まだ許せるのですが、ニュースを聞いた感じでは、単に「携帯電話の規制だけすればいい」といった安易な発想で規制をしようとしているようですから、問題を悪化させるだけに思えます。

まず、児童・生徒が授業中に携帯メールをしているとしたら、それは、授業を聞く気がないことが問題の本質で、携帯電話を禁止しても、他の方法でサボるだけ。

そういった問題がより一層深刻な大学の教員の感覚では、授業中にペチャクチャしゃべられたり、食事をしたりされる(実際に、授業中にこの2つを平然とおこなう大学生は本当に多いので……)よりは、携帯メールを送り合ってもらうほうが、他の学生への迷惑は小さい。だから、私語厳禁として厳しい態度をとる教員でも、学生の携帯メールは気にしていないことが多い。それが大学の実情ではないかと思います(残念ですが、過半数の学生が、本来は大学に進学すべきではなかった学生であるような大学で教えていると、そういった感覚になります)。

話を戻しますが、授業中なのに児童・生徒が平然と携帯電話を使用してしまう状況は、子供が携帯電話を持っているかどうかの問題ではありません。携帯電話がなくても、授業運営が崩壊している。そう思いませんか?

また、携帯電話サイトの問題は、携帯電話の使用を禁止すれば、パソコンのサイトに問題が移るだけ。しかもその際には、サイト上のイジメの問題では、個人で自由にパソコンを使える裕福な家庭の子供が有利になり、パソコンが持てない貧乏な家の子供がいじめられやすくなる(裕福な親が、これを意図して規制を提言しているのなら、それはそれで合理的なのかもしれませんが……)。

また、携帯電話なら、親が子供の利用状況をチェックできます(料金明細をみればいいのです)が、パソコンのインターネット利用状況はごまかしやすいので、チェックが困難だと考えるべきです。他にも問題はいろいろ。

とにかく、携帯電話の規制を考えるときには、パソコンでのインターネット利用などの代替的な方法についても一緒に考えないと、安易な規制が問題をより深刻にする危険性があります。

今朝のニュースでは「小中学生に携帯電話は不要」という言葉が何度か出てきましたが、厳しい言い方をすれば、そういうことを安易に言う役人や政治家や審議会のほうが、よっぽど「不要」です。

携帯電話にはマイナス面があるとしても、一方で便利な面もありますが、バカな規制を安易に導入しようとする人たちには、マイナス面しかありませんから。

今回も、酔っぱらいのバカたれ(数ヵ月後にはフリーターになる予定の落ちこぼれ大学教員)の戯言をお読みいただいたことに、深く感謝いたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 6日 (土)

NHKの生放送はやっぱり緊張します

NHK総合テレビ『家計診断 おすすめ悠々ライフ』に、今朝、出演してきました。

生放送なので、前夜からNHK(渋谷)近くのホテルに泊まり、早朝からリハーサルと打ち合わせをして、午前9時から本番。

始まると、あっという間に終わります。まあまあの出来だと思います。「それなりの人が、それなりに映りました」という感じでしょうか。反省点は多いのですが、テレビに出るなんて、そうそうないことなので、慣れようという気持ちになりません。そうなると、上手にならないのも当然で、まあ仕方がないですね。

内容はこちらに出ています。

http://www.nhk.or.jp/kakei/2008/1206/images/index.html

2年前に同じ番組に出たときには、「銀行が満期を決める預金」というデリバティブ(オプション取引・スワップ取引)を応用した金融商品を取り上げたので、それに比べれば軽い感じで、明らかに今回のほうがわかりやすかったと思います。

前回は、ほとんどの説明をクワバタオハラの2人が担当されていましたので、私はかなり楽でした。しかも、クワバタオハラはほとんどの内容を覚える必要があったのに、私はメモをみて話していいので、申し訳ない感じがしました。

今回は、私がたくさん話す必要があり、けっこう大変でした。生放送なのに、話す内容についてはかなり細かく決められているので、台本を読むほうが無難だと思い、実際にそうしました。ゲストのご家族から予定にない質問がありましたが、何とか答えられました。

前夜にホテルに着くと、NHKのディレクター経由でNHK出版から『出社が楽しい経済学』の番組テキストの最終チェック原稿が届けられていて、早朝3時から6時まで作業をして、それから出演しましたので、『家計診断』のほうは、あれくらいで許してください。しかも、『家計診断』の生放送の終了後、『出社が楽しい経済学』3回分の試写をみて、内容をチェックして、テキスト原稿の最終チェックの相談をして、NHKを出たのは午後2時すぎ。またしても、NHKに約8時間いたことになります。

それで、今日もずっと打ち合わせなどをしたNディレクターから、「吉本さんのブログの、NHKネタの比率が高いのには驚きます」と先日言われたのですが、そりゃそうでしょう。単に、NHK(というかNディレクター?)にこき使われているから、他に書くネタが発生しないということと、番組の宣伝をしてあげたいということで……

でも、今日3回分の試写をみた感じでは、『出社が楽しい経済学』はかなりおもしろいです。出来が悪い部分があるとすれば、それは明らかに、私が数分しゃべる部分ですね。あっぷあっぷでしゃべっているし、表情は硬いし、あれは全部削って「CG+プロのナレーション」に置き換えたほうがいい、と思ってしまいます。

その意味では、私自身はすごく恥ずかしいのですが、NHK教育テレビで2009年1月10日(土)23時放送開始(3月まで毎週放送で計12回)の『出社が楽しい経済学』を、どうぞよろしくお願いいたします。ドラマが中心になる番組ですが、SET(スーパーエキセントリックシアター)のみなさんの演技が、すごくいいです。

この番組をみていただければ、「経済学って、けっこう使えそう」と思っていただけると信じています。ああ、またブログのNHKネタ比率が上がってしまった。つぎは、別のネタにするよう努力します。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年11月24日 (月)

中学校入学直後の校長先生のお話

書かないといけなかった原稿は、何とか書けました。ただ、無理がたたって体調は最悪。23日の朝にかなりまとめて寝たのですが、それだけでは足りない感じです。どこかで丸2日ぐらい、完全に休みたいけど……

とはいえ、今日・明日と、金融商品を巡るトラブルに関連した仕事で、打ち合わせがあったり、予定されたりしています。ひとつはすでに起きたトラブルの件で、先ほど終わりました。もうひとつは、金融商品のトラブルを防ぐ目的で放送されるテレビ番組の件。まだ先方から連絡はないけど、たぶん、明日打ち合わせがあるはず。

金融商品の話はまた書くとして、自分がなぜ、こんなにバラバラな分野で仕事を抱え込んでいるのかを考えてみました。午前の打ち合わせの中で、わたしの略歴に「どんな分野やテーマを専門として研究しているか」を書くように依頼されたからです。

私は、大学教員としては「国際金融論」の担当者として、最初に広島市立大学、つぎに南山大学の2つの大学で採用されました。自分が大学生のときのゼミの指導教員が、円相場などを主な研究テーマとする(国際金融に近い)国際経済学の先生でしたし、私も大学院では主に国際金融論の論文を書いていました。

でも、私の最近の専門的な研究テーマは、「金融商品の仕組みと広告」の研究だったり、「デリバティブや、デリバティブを組み込んだ金融商品の販売実態」の研究だったりします。

自分では、大学教員をめざしたときも、大学院を出て教員になったときも、大学を移ったときにも、まさかこんなテーマの研究を主におこなうようになるとは、想像もしませんでした。

オプションやスワップなどのデリバティブの研究は、円相場の研究の中で、たまたま、「特殊なオプション取引が円相場の変動を増幅させている」という説明が新聞や公的機関の報告に出ていて、それを批判的に分析したことから始まり、そうこうしているうちに、なぜかオプションの話を中心に、『金融工学の悪魔』という本を書いてしまった。門外漢が書いた本ということで、専門家からいろいろとバッシングを浴びましたね。

それで、オプションを組み込んだ金融商品の話にも興味を持って調べているうちに、今度は、金融商品全般の「広告」を収集して調べるようになった。

そのあと、金融商品を買う消費者がどうリスク管理をすべきかを考えるようになり、さらに、消費者の経済取引全般を考えているうちに、ふつうの買い物について消費者目線で経済学を語る内容の『スタバではグランデを買え!』を書いた。

その結果、当初の予定なら「国際金融の理論分析」をスマートにやっているはずの私が、身近な商品やサービスや金融商品の「広告」や「販売事例」をせっせと大量に集めて、極めて泥臭くて実践的な研究をしている。研究テーマだけで言えば、経済学者という感じではない(経済学者の感覚では、社会学に近いことをやっているという印象ですが、本物の社会学者が認めてくれるかは知りません)。

いかにも場当たり的に研究テーマが移ってきました。「風が吹けば桶屋が儲かる」式と言ってもいいほどの、テーマの移り方です。

それで、こういう研究スタイルも悪くないと思うのですが、最近になって、中学校の入学式か最初の始業式かに、校長先生が教えてくれたお話が、まさにこんな話だったと思い出しました。

相変わらず、校長先生の名前も顔もまったく覚えていません。たぶん、最初に聞いたお話を覚えているのですが、それ以降のお話は、何ひとつ覚えていません。

「小学校と中学校の勉強のちがい」といった趣旨の話でした。おもしろいけど、「そんな勉強、中学1年生には無理でしょ。むずかしいことを要求しているなぁ」という印象が強く残っています。

完全には再現できませんので、根本のところだけ同じで、あとは私の創作で「超訳」ならぬ「超再現」をします。

中学生として、小学生のときとはちがう姿勢で勉強をしてほしい。

では、中学生の勉強とは、どういうものか? 私が最近どういった勉強をしてきたかを教えます。

たとえば、高知県に旅行に行って、坂本龍馬に縁のある史跡を訪れ、坂本龍馬のことを調べ始める。それで海援隊の話を読んでいるうちに、株式会社の成立の歴史に興味を持ち、今度は、東インド会社のことを調べる。すると、オランダのチューリップ・バブルの話に興味が沸き、そのつぎは、チューリップの花の色がどう決まるかに興味を持って、植物の遺伝についての本を読んでいるうちに、アフリカの奥地にしかない花に興味を持ち、つぎにアフリカの気候に興味を持ち、つぎに地球温暖化の問題に……

といった感じで、つぎつぎに、自主的に勉強しながら自分の興味・関心を広げていく。

中学生になったのだから、そういった勉強をするようにしてほしい。

ね、中学1年生になったばかりの子供には、すごくむずかしい要求をしていますよね。ということで、私はそんな勉強をする気にはなれませんでした(そう感じたことはよく覚えています)。

でも、大学教員という、本来すごく専門的なテーマの研究に特化すべき立場になったあと、なぜか、中学校の校長先生から教えられたような研究スタイルになったわけです。

いま考えると、すごくいい講話だったとわかります。

うちの子供は、まだやっと来年4月で小学生。でも、覚えていれば、子供が中学校に入学するころには、この話をして、どういった反応をするかをみてみたいと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年11月17日 (月)

日本の大手銀行にも、昔は「まっとうな銀行員」がいた

今日は、朝5時に家を出て、6時すぎの広島始発の新幹線で東京に行き、午前1040分から午後3時30分ごろまでNHKで打ち合わせ。そのあと新幹線で名古屋に戻り、大学でちょっとだけ仕事をしたら、ああもう午後7時を回っていて、同じフロアの教員は全員帰宅していました。

ということで、いつものThe CAFE / eat salonhttp://www.thecafe.jp/)で、いつものキャベツが大盛りのピザを食べながら、ブログを書いています。

いまのところ事情を書くことができませんが、私は、かつて勤めていた銀行を相手に裁判を戦っている中小企業に味方して、専門家としての意見を書いたりしています(しかも複数)。この点は、過去に発表した論文にも書いてありますので、はっきりと公表していることですが、やはり個別の内容は書けません(いまのところは)。

それで、その関係の新しい書類を先ほど読んで、本当にがっかりしました。学生のレポートなら、明らかに「不可(不合格)」ですね。

私が勤めていたときにも、ひどい銀行員はたくさんいましたが、尊敬できる先輩も多くいました。そこで、半年ぐらい前に、ダイヤモンド社の雑誌に書いたエピソードを、もう少しきちんと書きます。

もう20年ほど昔になりますが、銀行員だったときに一度しか会っていない先輩がいます。名古屋大学の出身者のはずで、3~5歳上の先輩だと思うのですが、お顔もお名前もまったく思い出せません(バカな私は、そのとき教えていただいた話のありがたさに気がつくのが遅れたため、お名前も忘れたのでしょう)。

でも、そのときの話は強く印象に残っています。当時その銀行で一番の花形とされる仕事をしていた人でした。大手商社や大手製造業など、すごく重要な取引先企業の案件を、その企業に関する限り、すべてまとめて担当する部署で活躍する、バリバリのエリートでした。

その先輩が大学生(名古屋大学の学生)の採用活動を手伝いに名古屋に来て、銀行が狙いをつけた学生に自分がいかに華々しい仕事をしているかを話したあと、新入行員の私たちを食事に誘ってくれました。

私は、その面接には出ていませんでしたが、たまたま、採用チームの拠点にいたら、昼食に誘われました(だから、先輩の名前なども覚えにくかったのですが)。

するといきなり、

「さっきは、学生を勧誘するためにあんな話をしたけど、僕がやっている仕事の9割は伝票の整理などの雑用で、格好いい仕事は1割ぐらいしかない。雑用を手伝ってくれる女子行員がいるけど、自分でやるしかない雑用は多いし、それを手早くきちんとやって、本当にやりたい仕事をやる時間をいかに作り出すかが大切なんだ。そこを勘違いしないでくれよ」

と釘を刺されました。

ところで、本を執筆するというかなりクリエイティブな仕事においても、雑用はとても多いのです。特に、書き上げた原稿を読み直し、言葉遣いをチェックしたりする作業は、本当に退屈で苦痛です。

今日も、わざわざ東京のNHKに行き、いつも紹介している『出社が楽しい経済学』(NHK教育テレビで来年1月から放送)のテキストについて、急きょ、長時間の打ち合わせをしてきたのですが、はっきり言って、執筆そのものの時間よりも、打ち合わせの時間のほうが長い!

そういった雑用は、その時点では仕事の進行を妨げるようにみえたりします。私も、かつてはそう考えていました。

ところが、原稿を何度も書き直していれば、文章は少しずつわかりやすくなります。いろいろと打ち合わせをしていると、何かの拍子に新しいアイディアも浮かびます。

しかも、日常の業務で繰り返し行う雑用(仕事)の技能を、仕事をしながら磨くことは、いつも改善への意識を持ってやっていれば難しいことではありません。

それで、銀行を辞めて、かなり経過してからやっと、つぎのことに気がつきました。

すでに職に就いている人が仕事の能力を高めるための確実な方法のひとつは、とにかく、繰り返し行う仕事について常に向上心を持つことです。

お説教くさくて、すみません(ワインを4杯ぐらい飲んだ状態なので)。

でも、いまはヤクザよりひどいことを平然とやる人たちが主流派になった企業にも、昔は「まっとうなビジネスマン」がいたんだよなぁ……と、つくづく思いながら、酒を飲んでいます。

以上、酔っぱらいの戯言でした。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年11月14日 (金)

NHK教育テレビ『出社が楽しい経済学』誕生の舞台裏

いま、すごく大変な事態に直面している。それで、本当はブログを書いている時間などないはずだが、こういうときに限って、書きたくなって、実際に……

何が大変かと申しますと、すでに告知しているNHK教育テレビで来年1月から始まる番組『出社が楽しい経済学』のテキスト執筆のこと。締切まで本当に時間がない中で、大幅な追加執筆が必要だとわかった。その本が出たところで、いずれまた、細かな事情をブログに書きますが、他人が分担したところについて、私のほうでかなり書き直したいという状態です。ところが、そのための期間がほとんどもらえない。

さあ、どうするか?

しかも、その原稿を書かずにブログを書いているし……もちろん、先ほどまで原稿の修正を考えていた(このあとも考える)のですが、いまはその仕事を30分だけ忘れることにしました。

じつは、そのテキストの中には、NHKのディレクターが書いているコラムがあり、その原稿を読んで、偶然の積み重ねがこの番組につながったことを知りました。

番組は12回で、毎回、ひとつのキーワードを中心に説明する構成ですが、そのうちの11回はミクロ経済学の内容なのに、1回だけ、むしろマクロ経済学に関する回がある。12回ぶんのキーワード選択には、私もかなり意見を述べましたが、「どうせなら全部ミクロ経済学のほうが統一がとれていていい」と何度も言った気がします。それでも、番組の企画を出したNディレクターが1回ぶんは「実質金利」の話をしたいと固執し、実際には「割引現在価値」というキーワードが入った。そのなかで、実質金利の概念も説明しています。

なぜ、Nディレクターが実質金利の説明をする回をどうしても入れたかったのか、また、そもそもこの番組はなぜ企画されたのか、今回、Nディレクターが書いたコラムを読んで、やっとわかりました。

2年前の200612月中旬に、NHK総合テレビで土曜の朝に生放送をおこなっている「家計診断」という番組に、私が出演した。そのときの担当がNディレクターで、題材は、当時流行していた金融商品の広告。特に、「満期を銀行が決めるタイプの定期預金」の危険性を説明することが中心テーマでした。

それで、「実質金利の説明をしてから、それを使って説明しないと、本当の問題点はわからない」と、私は何度も主張した(らしい)。しかし、30分の番組で、高齢者などもたくさん観るし、その人たちにできるだけわかりやすくと考えれば、「実質金利という経済学の専門用語をそのなかで説明するのは無理だ」と、Nディレクターは判断した(実際に、その番組のなかでは実質金利の説明はしなかった)。

しかし、私との議論をきっかけに、Nディレクターは「経済学の基礎をきちんと説明する番組を企画したい」とも思ったらしい。これが『出社が楽しい経済学』の誕生につながったとのこと。

なるほど、だから12回の中に「割引現在価値」という、ちょっとグループから外れた回ができたのか!

それで当時のことはよく覚えているのですが、200612月の出演は、まさに偶然の積み重ねで実現したのでした。

Nディレクターから出演依頼のメールが来たとき、本当は、即座に断るつもりでした。というか、すぐに断りのメールを書こうとしていました。それなのに、メールが届いたときに偶然、そのあと『スタバではグランデを買え!』として出版される原稿に使う新聞記事を整理するために、週に1~3回、数時間ずつのアルバイトをお願いしていた中国人留学生(当時は、私が卒業し、非常勤で教えていた名古屋市立大学の大学院に在籍中)が私の研究室にいて、新聞記事のコピーをしてくれていました。

私は、「NHKからの出演依頼が来てる。あっ、でも無理。この日は絶対に無理だから、断るしかないね」と、その留学生にしゃべった。私の過去の本を全部読んだことがある人なら、私がNHKの制作する経済番組を自著で何度も批判していることを知っていると思いますが、だから、そのときの出演依頼を断るのに何の躊躇もなかったのです。

出演依頼を受けられないと私が即断した理由は、当時幼稚園の年少組だった息子の幼稚園での最初の劇発表会の日と重なっていたからです。妻から、その日は絶対に仕事を入れないように念を押されていましたし、もちろん、私も楽しみにしていました。

アルバイトの留学生が「どうして断るんですか?」と質問してきたが、その事情を説明して、「うちの奥さんが許すはずもないしね」と笑いながら言い、断りのメールを書こうとした。しかしその留学生が、「奥さんに電話して一応相談してみるべきです。それから断っても遅くないでしょ」と粘った。

少し押し問答をして、ふと思いついたのは、「朝の番組だし、幼稚園の発表会のスケジュール次第では、出演してから広島に向かって、息子の発表だけは観られるという可能性もある」ということ。

じつは、これが最初の発表会だから、そう思ったのであって、現実にはまったく無理な話でした。ということで、息子が幼稚園に通い始めて2年目か3年目なら、すぐに番組出演を断ったでしょうね。

結局、その日の夜は一度用事があって実家に寄り、自分の家に自転車で移動する途中、妻に電話が通じた。どの信号のところで自転車を止めて、携帯電話で話をしたかもよく覚えています。

幼稚園の発表会のスケジュールを聞き、午前中に終わると聞いたとき、「それじゃ無理だね。NHKに断るよ」と言ったら、妻が「それって全国放送なの?」と聞いてきた。

「そうだと思うよ」

「へぇーすごいじゃん。出たら?」

その妻のひと言で、結局出演を引き受けることになったのですが、私としては複雑な心境でした。息子が幼稚園で発表会の練習をしていることを知っていた私は、本当に発表会を観たかったからで、いまでも息子には、「ねぇ、あのとき、どうしてお父さんはボクの劇発表会を観に来てくれんかったんか?」と、たまに聞かれる。

悩んだうえで引き受けた理由は2つ。そのどちらかでも欠けたら、たぶん断っていたでしょう(悩みもしなかったでしょう)。

1に、その話があったのは、まだ父が亡くなってから1ヵ月も経っていないときで、父の葬儀から四十九日法要までの間だったこと。遠くから四十九日法要に来てくれる親戚たちは、みな年寄りなので、私がNHKに出るという話をすれば、喜んでくれることがわかっている(その少し前に、たまたま、関西ローカルのテレビのインタビューを受けたのですが、そのビデオを奈良に住む親戚が父の葬式のときに持ってきてくれて、親戚たちがくり返し観ていましたから)。それで、「まあ、少しは恩返しになるか」という気持ちがありました。

2は、取り上げる金融商品が、先に述べた「満期を銀行が決める定期預金」だったこと。オプション取引(デリバティブの一種)と呼ばれるやや複雑な金融取引を組み込んだ金融商品で、その危険性を訴えるために、この金融商品を取り上げてくれる新聞やテレビなら、できるだけ協力するつもりでいました。

じつは以前、朝日新聞の数人の記者と会食をしたときにも言われたことがありますが、多くの人は、私が「マスコミ嫌い」だと思っているようで、それはある程度真実でした。この金融商品がメインの題材でなければ、息子の発表会に欠席してまで出演したりはしなかったでしょう。

アルバイトの留学生が研究室にいるタイミングでメールが来たのは、本当に偶然で、しかも、幼稚園の行事に不慣れで、発表会のスケジュールをくわしくは知らなかったから、一応妻に確認しただけで、父の四十九日法要とか、題材が当時の私が問題視していた金融商品であったとか、いろいろな条件がすべて積み重なって出演した番組の打ち合わせがヒントになって、Nディレクターが「あのとき吉本さんの研究室で話をしなかったら、きっとこの番組は生まれませんでした」と語る番組につながった。

そう思うと、「本当に偶然って恐ろしいなぁ」と感じます。

ここまで書いて、いま本当に恐ろしいのは、番組テキストの仕事をする時間が足りないことだと思い出しました(30分どころか、1時間を超えて余所事をしてしまったし)。

しかも、その解決を手伝ってもらうために、Nディレクターにメールを書く必要がある。

この続きは、またいずれ。

なお、つぎのブログ更新は、しばらくあとかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月13日 (木)

WRC(世界ラリー選手権)のRally Japan 2008を家族で観戦してきました……すごく楽しめました!

約2週間前の話ですが、絶対書きたかったことなので、書きます。

うちの息子(幼稚園・年長組)は、とにかくクルマが好きで、この2年間は特にWRC(世界ラリー選手権)にハマっています。くり返しDVDを観て、おもちゃのラリーカーで遊ぶ。絵を描いても、工作をしても、WRCのクルマを描いたり、紙で作ってみたり。主要なドライバーの名前はすべて覚えていて、過去のレース結果なども、自分がDVDで観たものは暗記しています(この年齢の子供の記憶力は驚異的ですから)。

おかげで、妻も私もWRCについて興味を持つようになり、ついには、今年の1031日から112日まで、札幌を中心に開催されたラリー・ジャパンに家族3人で行ってきました。

31日(金)には行くことができず、11月1日(土)の朝、息子の幼稚園のイベント(作品展)に行ったあと、広島空港から一度東京を経由して札幌へ(札幌に直行する飛行機がまったく予約できなかったからです)。新札幌のホテルにチェックインしてすぐに、札幌ドームに向かい、その夜のレースを札幌ドームで観戦。

翌2日(日)も朝から夕方まで、札幌ドームでレースを観戦したり、各チームがクルマを整備したり修理したりするテントを回って見学したり、グッズを買ったりしました。それでレースは終わりましたが、夜は小樽のお寿司屋さんへ。翌3日(祝)も北海道に残って、小樽の水族館に行ったあと、広島に戻りました(さらに翌朝、私は広島から名古屋に戻りました)。

とにかく、おもしろい!!!

レースで走るクルマも格好いいし、その前後に会場に出入りするラリーカーをすごく近くで観ることができるし……主要なドライバーについては、すべて目の前を通っていくのを観ることができました。

うちの息子は、主要なドライバーはみんな大好きなのですが、特に、スバルのラリーチームを応援していて、当然ながら、うちの家族は全員でスバルワールドラリーチームの服を着て(息子はその帽子もかぶって)応援していました。

そもそも、スバルは、このレースの前に日本各地でイベントを開催していたのですが、たまたま、広島で開催されたときには家族全員が広島にいましたので、広島のイベントに行き、そのあと愛知(中部国際空港)で開催されたときにも、家族全員が名古屋にいましたので(偶然、亡き父の三回忌法要があったので)、そちらのイベントにも行きました。両方に続けて行った家族は、そうそういないと思います。

それで、札幌のレースも観て……この夏から秋にかけての私は、家族で過ごす時間以外は、とにかく仕事をひたすらこなしていたので、余暇はWRCのイベントにしか行っていないという印象です(実際そうですし)。

WRCにくわしい人なら知っているでしょうが、スバルは最近成績が低迷していて、シトロエンとフォードがいつも優勝を争う状態です。うちの息子はシトロエンとフォードも大好きなので(要は、ラリーカーなら何でも大好きなので)、うちの家族は、スバルに勝ってほしいと思いつつも、シトロエンやフォードやスズキなどのクルマも応援していました。

レース結果は、事前情報を持っていた人の多くが本命と予想した(私たちも本命と予想した)フォードのミッコ・ヒルボネンが勝ち、3位に入ったシトロエンのセバスチャン・ローブが年間チャンピオンを決めました。セバスチャン・ローブの年間チャンピオンは5年連続で、これは史上初。ミッコ・ヒルボネンはラリー・ジャパンを昨年・今年と連覇し、これも初めての快挙(ラリー・ジャパンは2004年の初開催から昨年まで、すべてちがうドライバーが勝っていた)。

ミッコ・ヒルボネンは、2004年にはスバルで出場していたドライバーなので、日本にもファンが多く、もちろん、うちの息子も、ミッコ・ヒルボネンの勝利やセバスチャン・ローブのドライバーズ・タイトル5連覇を喜んでいました。

日本人に一番人気があり、うちの子供も一番好きな、スバルのエースのペター・ソルベルグは、記念すべき初回のラリー・ジャパンで勝っていましたが、そのあとはマシンの調子がいまひとつで、2006年からは勝利がなくて苦しんでいます。

今回も、初日は調子が悪かったのですが、2日目に入って好調になりました。ところが、運悪くマシンを壊してリタイヤ。2日目の夜の札幌ドームでのレースには登場せず。それでも、そのレース後にスバルのテントを観に行くと、後ろがメチャクチャに壊れたクルマをメカニックが必死に修理している。ルール上、翌日に復活して走ることができるので(順位は大幅に下げられますが)、それをめざしているようでした。

祈るような気持ちで、翌日の札幌ドームに行くと、ペター・ソルベルグはしっかり走ってくれて、思わず感動しました。これもWRCのファンならよく知っていることですが、ペター・ソルベルグは本当にファンサービスがいい(他のドライバーもファンへのサービス精神はすごいのですが、ペター・ソルベルグは別格という感じ)。その姿を生でみて、とにかく息子は大喜びでした。

私たち夫婦は、WRCも堪能しましたが、本当は、小樽のお寿司屋さんに行くのを一番の楽しみにしていたので、日曜の夜に実際にそこでお寿司を食べることができて、100点満点の旅行でした。

そのうえ、驚くべき幸運が、帰りに新千歳空港に行った私たち家族を待っていました。息子が疲れて眠りかけていたため、少し早めに手荷物検査を済ませて、出発ロビーにいて、私がなんとなく、土産物をみに行くと(結局買わなかったのですが)、目の前を見覚えのある白人が通り過ぎました。

「あれ?」と思ったときには、WRCのファンだと思われる男女が声をかけて、写真撮影をお願いしている。じっとみると、「やっぱり、ミッコ・ヒルボネンだ!」

慌てて妻と息子のいる席に走っていき、私が荷物の番をして、2人をみに行かせました。「あっちに行ったけど、真っ白の帽子をかぶっていたから、きっとわかると思う」と伝えると、2人はしっかりみてきた様子。戻ってきた妻が、何かサインをもらうものがあればいいのに、こんなことを想定していなかったから、サインペンも持っていないことを嘆く。

そのとき、私が思い出して、「いや、ちょうどいいものがある」と妻に手渡したのは、前々日に札幌ドームで買った「公式パンフレット」と青色のボールペン。公式パンフレットなので、昨年のラリー・ジャパン勝者で、今年はフォードのエースとして出るミッコ・ヒルボネンの大きな写真が載ったページがあり、それを開いて、「この余白にサインしてもらえばいい。青はフォードのラリーチームの色だから、青いボールペンがぴったりだよ」と言うと、妻が本当にもらってきました。昨日の勝者であるミッコ・ヒルボネンのサインを。しかも、公式パンフレットに。しかも、すごくきちんと書かれたサインです。

我が家にとっては、すごい宝物です。気軽にサインに応じてくれたミッコ・ヒルボネンに感謝です。本当にありがとうございました。

できれば、このブログにその写真を載せたいとは思いましたが、肖像権などを考えて載せないことにしました。公式パンフレットは、ネットでもう1冊買って(ちょうど昨日、私のところに届いたのですが)、サイン入りのパンフレットのほうをバラバラにして、サインのあるページを額縁に入れて家に飾る予定です。

つぎは、レース前のイベントにも参加して、ペター・ソルベルグとセバスチャン・ローブのサインももらいたいところですが、来年は息子が小学生になるので、そんな日程でレース観戦に行くのはむずかしいことがわかっています。また、そもそも来年はラリー・ジャパンが開かれない予定です(隔年開催になりそうなのです)。

恐ろしいことに、妻と息子は、夏休みに海外でおこなわれるレースを観に行くことも検討しているようですが、飛行機に乗るとすぐに耳が痛くなる(実際に今回は、いまでもまだ耳の調子が戻らない)という理由で、飛行機が苦手な私は、「5時間以上飛行機に乗るのは絶対にイヤだ」と公言しています。

さて、来年はどうなるのやら。

とにかく、ラリー・ジャパン観戦旅行は、我が家にとって今年一番の思い出になりました。年賀状の写真(息子の写真しか載せませんが)は、そのときの1枚にもう決まっています。

旅行に行く前に、すごい勢いで仕事をこなし、戻ってからもひどいスケジュールで仕事をさせられている私は(そうさせているのは、大学とNHKですが)、つぎは12月下旬の冬休みの家族旅行を楽しみにするしかない状態です(妻も仕事が忙しいので、同じことですが)。

周囲のいろいろな人に迷惑をかけながら、自分の健康をボロボロにしながら、なぜか、忙しく仕事をするのが楽しいと感じてしまう私は、ただの仕事バカなので、どうにもなりません。ご迷惑をおかけしている皆様に、ここでお詫びいたします。本当に申し訳ありません。

また、すでに告知しているNHKの番組のテキスト執筆・編集の仕事が、これから10日ぐらい、「とても無理!」と叫びたいスケジュールで入っていて、大学の講義と雑用もありますので、ブログの更新が滞りがちになるかもしれませんが、できるだけ、ブログを書きたいと思っています。

番組は計12回ですが、そのうちの5回の試写を11日(火)に東京のNHK内で観てきました。すごくおもしろい!!!

この話もいずれ書きます(NHKの許可は取っていないのですが)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 8日 (土)

吉本佳生の著書のつくり方に関する誤解を解く(その1)

私の本のほとんどは、ほぼ100%書き上がっているか、そうでなくても、ほぼ100%の構成が決まっていて、作図(そのまま本に掲載できる段階までの清書)も終わっているかの状態でしか、出版社の編集者がみることはありませんでした。

つまり、構成・内容・図のレイアウトなど、すべて勝手気ままに書いたあとで、出版社(その編集者)に「こういう本を書いちゃったんです(書き終えそうなんです)が、よかったら、出版してもらえますか?」と言いながら売り込んで、ダメなら他の出版社に持ち込む。それでもダメなら、また別の出版社に持ち込んで……というのが、私の基本的な執筆のやり方です。

『スタバではグランデを買え!』も、構成もできあがって、中心となる章も書き終えてという段階から、3つ目の出版社でやっと出してもらったというのが、実情です。

だいたいのテーマが決まっていて、それで書いたという本もありますが、「オプション取引について」とか(『金融工学マネーゲームの魔術』のとき)、「金融商品の広告について」とか(『金融広告を読め』のとき)、「前の本の続編になるような感じで」とか(『クルマは家電量販店で買え!』のとき)の、すごくアバウトな合意しかなく、それで好きなように書かせていただくというのでないと、本が書けないという、ちょっと変わった著者なんです。

出版社ともっと細かな点まで合意した企画は、すべて未執筆になっていて、それも頭痛のタネです(何とか書きたいという気持ちは、まだあります)。不自由な執筆は、本当に苦手なんです。

もちろん、出版してもらう出版社が決まった段階では、編集者の意見も参考にして、一部書き直したり、大幅に削ったりします(元々、分量的に書きすぎてしまうタイプなので)。でも、編集者が提案した題材についての加筆とかは、ほとんどしません(何かと理由をつけて拒みます)。

それなのに、私の著作について、編集者主導で構成などが考えられていると思っている人も、少なからずいるようです。他の著者で、そういった人が多いことは知っていますから、仕方がない勘違いだと思います。

でも、せっかくブログを始めましたので、本当のところを説明したくなりました。

さらに、私の執筆法を公開すると、図は、基本的に、すべて私が清書までして、そのまま掲載してもらっています。そのため、作図にはすごく時間がかかり、1ヵ月ぐらいかけることが多いのが実情です。

執筆の手順も述べると、まずは作図から入ります。

それで、作図が終わったところで、文章を書くのです。その途中で図の修正もしますが、原則として、作図が先、文章があとです。

『スタバではグランデを買え!』も、『クルマは家電量販店で買え!』も、1ヵ月ちょっとで作図をして、つぎのほぼ3週間で、文章を書いています。そのあとの推敲にも、執筆と同じぐらいの(場合によってはそれより長い)時間をかけます。

だから、執筆作業のうち、文章を書く時間が占める割合は、意外に小さいのです。変な著者ですよね。

この話の続きは、いずれまた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)